【企業訪問記】地元密着で確たる地位に! 苦楽を共にした仲間がいるからこそ

千葉精工エンジニアリング(株)  代表取締役 安西 貴之氏(安房支部)

 館山バイパスを東に折れ、のどかな自然の中を通ると、館山の澄んだ空気を守るように建つ千葉精工エンジニアリング(株)の看板が見えてきました。同社は安西貴之社長のお父様(現会長)が創業した空調工事と水道工事を担う創立30周年の企業です。

 創業当初は大手建設会社の下請け企業として仕事をしていましたが、バブルの崩壊と共に工事の件数が減り、大きな転換に迫られました。危機的な状況の中、お世話になっていた旅館業の先輩から、旅館の空調工事を頼まれたことが契機で仕事が広がり、現在は民間企業の受注が90%、そのうち館山・南房総・鴨川を中心とするホテル・旅館の空調工事が約50%を占める、地域密着型の企業となりました。

 地域密着で範囲を広げすぎない理由は、「自社で工事をした空調の修理は自社でする」というポリシーがあるためです。エアコンは稼働時間が長い夏・冬に緊急修理が当たり前。365日いつでも対応できる組織力がお客さんの安心・リピートにつながり、地元での地位を確立しています。

 現在は23名の社員が和気あいあいと働く同社ですが、安西氏が26歳の時には10数名の社員が一気に退職してしまうというショッキングな出来事があったそうです。社員が抜けたことで良くない評判が立ち、仕事も減少。残された3人で苦難の再スタートをきりました。

 未経験者を採用し、人を育てながらさらに求人、それぞれの部門ごとにリーダーをつくり、階層を分けることで、社長のトップダウンにならない組織づくりを行ってきました。

 「あの時社員が辞めた理由は、突然入社してきた後継者の自分にあったのかも」と振り返る安西氏。各部課長に権限を委譲しながらも、社長が毎朝一番に会社に出勤し、現場から帰る社員を最後まで待つ、という姿勢は今も変わっていません。

 30周年を機に倉庫を新設した同社。倉庫を見に来たお客さんが「綺麗だから仕事を頼みたい」というほどで、仕事の効率やチームワークも向上しているそうです。2度の危機を乗り越え、30年を迎えた社内の強い絆が、何よりの強みになっていると感じた訪問でした。

(事務局 小山)

◆会社概要…所在地:館山市古茂口199-1 資本金:2,000万円 従業員数:23名 事業内容:空調工事・水道工事