【企業訪問記】努力を実感できる労働環境づくり ~社員が成長したいと思える会社へ~

(株)山﨑園 代表取締役 山﨑 裕司氏(北総支部)

 印西市と言えば、千葉ニュータウンによって人口増加と市街化が進んでいる地域です。土地開発が進む一方で、第一産業の就業者の割合は減少傾向にあります。今回は印西市で造園・外構エクステリア工事業と農業を営む、山﨑社長を訪ねました。

 (株)山﨑園は先代である同氏の父が造園業として創業。同氏は車のディーラーとして働いていましたが、どんぶり勘定の仕事受注に疑問を覚え、25才の時に同社に入社。職人肌である父を支えるため、電子機器等のシステムを積極的に導入しました。また外構エクステリア業の需要拡大を予期し、31才で事業継承したのと同時に新規事業に参入しました。

 ですが、業界の体質上、元請け業者からの買いたたきも多く、顧客の提示額をそのまま受入、見積りを疎かにすることも多々あったと言います。薄利の業務が増加するにつれ、経営が圧迫され、労働環境も劣悪化し、ついに倒産の危機を迎えます。

 自身の認識の甘さを反省し、商工会経由の中小企業診断士の力を借りながら経営の立て直しを図ります。まず大きく変えたのが、「数字の把握と管理」。受注も見積もりベースで取捨選択し、約5割の顧客が入れ替わりました。また各現場で利益額を社員に明らかにし、給与に反映するようにしました。すると自然に社員たちの意識が変わり、顧客の目線に立った対応や技術を高めることを自主的に行うようになりました。結果、社員の丁寧な対応力が口コミで評判が広がり、5年で達成する予定であった売上目標を3年目で達成。現在では残業ゼロを目指して環境を整えています。

 「以前は社員に対して怒鳴ることもありました。それではいけないと反省し、現在では“誰のためにやっているのか“また“努力は自分に返ってくる“ことをきちんと説明しています。綺麗ごとだけでは社員には響きませんので、経営者は給与、労働環境の充実など、努力を実感できる仕組みづくりをしていく必要があると思います」

 兼業でお米と野菜の生産販売をしている同氏。「若者が地域を支える」をモットーに地元の飲食店に農産物を卸しています。ゆくゆくは地産地消で印西市の農業を守り、若者が引き継いでいきたいと思える労働環境の整備を目指し、日々奮闘しています。   

(事務局 関根)

◆会社概要…所在地:印西市浦部1940 資本金:100万円従業員数:15名 事業内容:造園、外構、エクステリア工事設計、施工、緑地管理