【企業訪問記】中小企業の強みは頼られる信頼関係 〜個人、1枚からどんなものでも対応

(有)ハヤカワ商工
代表取締役 早川 長吉氏(つくも支部)

 昭和35年にお父様である先代が事業を始め、60周年を来年に迎える(有)ハヤカワ商工。創業当時から手ぬぐいやタオルをはじめとする繊維商品の染物やプリントを強みとしています。

 3年前に代表を承継した早川氏は、平成2年の丁度バブルが崩壊するときの正に経営が暗転したタイミングで会社に戻りました。商品の売れ行きが悪くなるだけでなく、手を出していた不動産業の不振で多額の借金を抱えてしまい、追い討ちに銀行からは貸しはがしを受け、ギリギリの状況まで追い込まれました。そんな中、背水の陣として挑んだのが海外からの輸入仕入れです。偶然参加した展示会でベトナム企業と知り合い、多額の費用を掛けて現地に視察に行きます。当時はまだ海外取引をしている企業は少なく、信用も低かったそうですが、今より安く良いモノが仕入れられ、現地の対応も良かったことから取引を決断。それが功を奏し、リーズナブルなプリントタオルがヒットすることで、無事に経営危機を脱出することができました。

 繊維商品へのプリントなら、どんなものでも1枚から対応することを強みとする同社。名入れの文化は手ぬぐいからタオル、今や様々なモノに広がっています。しかし同氏は、「自社の方針は創業時から一貫しており、布製品への加工を極めること。ただし、時代に合わせて加工する製品や技術、やり方は変わるため、それに対応しているだけです」と語ります。この姿勢は仕事の受け方にも表れており、個人から1枚からフルオーダーで対応。ひな型を当てはめるのではなく、お客の要望を1つ1つ丁寧に聞いて実現しており、「個人対応や少数ロットは手間が掛かり利益も出ないけど、中小企業の差別化としては大切なことです。この対応が信頼関係の構築につながり、後の大きな仕事に繋がっていくことも少なくありません」と話します。

 今後も繊維商品へのプリントを強みに技術力、対応力を向上させ、地域で1番を目標にする同社。社員の働き方も、無意味に単純労働をするのではなく効率性を高め、余った時間で新しいことにチャレンジするようにしています。例えそれが雑談になっても、新しいことができる余裕と風土を作っており、働き方改革も良い追い風になっているとのことです。

(事務局 道山)

◆会社概要…所在地:山武郡横芝光町横芝2028 資本金:300万円 従業員数:12名(うちパート・アルバイト7名) 事業内容:タオル・作業服・事務服・Tシャツ等名入れ加工販売