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我がまち探訪記 【その13】

 「市民力」+「広域連携」で
 地域経済の活性化を目指す
        小出譲治 市原市長に聞く

我がまち探訪記シリーズの第13回目は
市原市の小出市長を訪ねました。

訪問先 市原市長 小出 譲治氏
出席者 武藤弘広報部会長(司会)
                            横山和樹市原支部長、大矢みな市原支部幹事長
                            田中孝浩事務局員


市原市の特徴と産業構造の変化
司会 市原市といえば、臨海部の石油コンビナートを中心に発展してきた産業都市のイメージが強いのですが、市の現況、今後への課題としては、どんなことがあげられますか
市長 市の人口が昭和30年代の7万3000人規模から現在の28万人まで、今まで50年間右肩上がりで成長してきました。一方で、高度成長期に職場に就職した若い人たちがその後一斉に高齢化し、産業構造の変化、生産プロセスの省力化も進んでいます。
 直近の国勢調査でも5年間で5858人の人口減少が認められますが、特に20〜30代の若い女性たちの市外への流出が悩みの種です。やはり素材産業は、男性の職場という色合いが濃く、女性は近隣の千葉市、特に蘇我などに職場を求めて流出していく傾向にあります。
司会 市原市は、面積(約368平方キロメートル)で県内最大の市域ですね。 市長 広い市域面積は、市の地区ごとに異なる特性をみせています。先ほど近隣の千葉市などへの人口流出の話をしましたが、実は市内でも人口の流動現象が起きており、南総地区などからJR線の沿線地域やちはら台など、利便性の高い地域に移動する流れがみられます。
 地区ごとに多様な表情、ニーズが存在するので、「コンパクト・プラス・ネットワーク」というイメージで、複数の特徴ある拠点を中心に、それぞれの地区で特性や資源をもったまちづくりを進めていくのが、今後の方向だと思っています。
 都心から1時間圏でありながら、これだけ里山、自然豊かな環境に恵まれていることを、市のポテンシャルとして考えていくことで、多様な発展の可能性が生まれます。

周辺自治体との広域連携
司会 少子高齢化、人口減少時代という流れの中で、市原市はどのような地域運営、まちづくりを進めていかれますか。
市長 周辺自治体との広域連携で共通した課題に取り組んでいくことが重要だと考えています。現在、千葉市と「共創都市圏」連携構想を進めています。お互い直面する課題に共通点も多く、市原から千葉市への人口流出がみられるように、千葉市は千葉市で、船橋市などへ人口が流出している問題を抱えています。また、市原市から千葉市へ働きに出る人口が約2万人いる一方、逆に千葉市から市原市の職場へ通う人は約1万人いるといわれています。こうした状況も、問題意識を共有できるところが多く、連携のメリットは大きいと思います。
 連携は、まず両市の保育所間で児童の相互受け入れ体制の整備に取り組んでいます。さらに、第2弾として、経済・観光での連携事業も進めています。
 市原市周辺の各自治体の人口は合計で190万人となり、これは三重県の人口に匹敵します。この地域が広域連携を進めることによって、広域地域全体としての発展可能性が大きく広がるとともに、各自治体、地域にとっても、共通課題に連携して取り組むことのメリットは大きいと思います。
 これまで「都市間競争」に勝ち抜くことばかりが強調される傾向がありましたが、「競争」よりも「共創」、隣接する地域が連携して、共通課題に取り組むことが、今後より重要さを増してくると考えています。

「市民力」を活かしたまちづくり
司会 若い人たちや女性の転出抑制が、長期的な人口減に歯止めをかける上で、重要な施策となるかと思われます。
市長 コンビナート地帯の特徴は、大手企業ですが、本社機能がない生産工場ということで、地元の若者が大学を卒業してここに帰ってきても就職先が十分用意できていません。市内には県立高校が6校ありますが、将来の志望によっては、市外へ出てしまう傾向も多い状況です。反面、市内の高校を卒業した若者が市内の重厚長大産業系の会社に就職するのは、大手企業の安定した職場という意味では、魅力は見出せるのではないでしょうか。
司会 一方で、産業都市・市原には多くの優れた人材が定住していて、今後の市の発展にも有力な地域資源として働くのではないかと思われます。
市長 このたび策定した総合計画でも、「ひとの活躍(市民力)」という言葉が使われていますが、日本経済の中軸を担ってきた素材産業に従事してきた、意識の高い市民が多いことが特徴です。大手企業に勤めて定年になった後は、それまでの職住近接地区を離れて、田舎に帰るケースも多いと聞きますが、市原市の場合、定年後もそのままここに住み着く人が多いので、こうした人材が地域にとって有力な資源となります。
 加えて、上総国府が置かれ、国分寺や国分尼寺に代表される悠久の歴史、近代から現代に至る歩みの中で高い民度、豊かな文化が育まれてきました。

市長と市民が語り合う中から生まれた新総合計画
司会 総合計画の策定で、市民との対話を重視されたと聞きました。
市長 総合計画は、「変革と創造」を掲げていますが、この中で徹底して「市民の思いが詰まった計画」を心がけました。無作為抽出された4000人の市民に呼びかけたところ104名の応募があり、この人たちと「いちはら未来会議」を3回各地で開催しました。104名は17歳から92歳までという構成です。
 また、11地区542の町会長さんらとの「未来創生ミーティング」を開催し、各地区の生の声を聴いて回りました。
 このほか中高生には2日間にわたって市内のあちこちを見て回る「いちはら未来ワークショップ」を実施しました。1日目は工場見学や小湊鉄道で里山をめぐり、2日目は未来市長となって将来のまちづくりを考えるといった企画で、若い世代が市の良さをよく知り、愛着をもつことで「誇りの創生」につなげられればと思っています。
司会 総合計画の重点施策はなんですか。
市長 この総合計画では、目指すまちの姿の第1として「産業と交流の好循環が新たな価値を創るまちへ」を掲げております。
 これまで本市は活発な企業活動に支えられながら、市民福祉の増進を図ってまいりました。産業の活性化は本市の生命線と言っても過言ではありません。地域経済をけん引する中小企業の経営力向上などによる持続的発展、起業・創業の促進、臨海部コンビナートの競争力強化、農林業の収益性の向上などによる魅力ある農林業の振興、地域特性を活かした観光振興などこれらの経済活性化策を施策の第1の柱に掲げ、新たな価値や魅力を創出するまちづくりを目指してまいります。

地域資源を活かした観光
司会 小湊鉄道の頑張りも大きな財産ですね。
市長 ローカルな鉄道が経営的にも安定して事業を発展的に継続している、全国的にみても特筆すべき事例でしょうね。トロッコ列車を走らせることで、乗降客を3万人増やすなど、素晴らしい実績を上げています。観光面でも、君津市と連携して「房総さとやまGO」というバスを走らせて、養老渓谷から君津の造り酒屋など、市域を越えた観光に取り組んでいますが、最近ではこれに大多喜町も参加の意向を示すなど、市町の枠にとらわれない魅力的な観光スポットめぐりが生まれています。
 祭りも盛んな土地柄で、夏の各地での祭りは市民の楽しみであり、10月第一週に行われる「上総いちはら国府祭り」は2日間で15万人の来場者があります。
 また、この4月に開催される、里山が舞台の芸術祭「いちはらアート×ミックス2017」は、4月8日(土)から5月14日(日)まで、市原市南部地域(小湊鉄道上総牛久駅から養老渓谷駅一帯)を会場に、芸術作品を展示します。
 小湊鉄道の沿線が桜や菜の花に彩られ、新緑が色鮮やかな季節、美しい里山の景色とともに、里山アートを五感で感じて楽しんでいただく、ユニークなイベントに、たくさんの皆さんのご来場をお待ちしています。

(広報部会長 武藤)

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