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我がまち探訪記 【その12】

 若い人たちの夢を育て、
 未来を切り拓く街     野田市

我がまち探訪記シリーズの第12回目は
野田市の鈴木市長を訪ねました。

訪問先 野田市長 鈴木 有氏
出席者 武藤弘広報部会長(司会) 田中敏文広報部会員
     待山弘野田支部長  逸見孝史事務局長


合併で二つの個性(城下町と企業城下町)が融合
司会 平成15年に野田市と関宿町が合併して、新野田市が誕生しました。新しい野田市の現況、魅力について、お話しください。
市長 旧野田市はキッコーマンが雇用、経済の中心として、発展してきました。しかし、その後工場の機械化が進んだり、海外へ生産拠点を移す動きなどがあり、今は働く人たちも往時からするとだいぶ少なくなっています。
 さらに、郊外に大型店が進出したことや、人々の買い物スタイルの変化などから、地元の商店の衰退がつづいていますが、それでも、中心市街地に商店が残っているのは、商店主たちの人柄、地元の人たちが自分たちの街を何とか守ろうという動きや、若い人たちが一生懸命、何とかしようと頑張っていることによります。旧野田市は企業城下町で栄えた歴史の上に、今このような形で発展し続けているというのは、他にあまり例がないのではないかと思います。
 もう一方の旧関宿町は、関宿藩時代から、利根川と江戸川という2つの河川を利用した舟運を中心に発展してきた町です。関宿町からは、二人の偉人が輩出しています。一人は、終戦時の首相として、終戦処理に力を尽くした鈴木貫太郎閣下。もう一人は、明治から昭和初期にかけて将棋界で活躍し「近代将棋の父」と呼ばれる関根金次郎十三世名人です。お二人とも、郷土の誇りです。
 つまり、平成15年の合併は、企業城下町と城下町の合併であり、二つの異なった歴史、文化が一つになったといえます。これも地域の魅力となっています。
失われゆく自然を取り戻し、豊かな環境を保全・活用
司会 野田市といえば、コウノトリ放鳥のニュースを拝見したのですが、豊かな自然ということで注目されていますね。
市長 東京から30km圏で、これだけ緑豊かな自然が残っていることも、野田市の魅力の一つです。特に、前市長時代から取り組んでいる「自然を取り戻す」事業。これまで農薬などを使って自然や生態系に影響を与えてきたことを見直して、減農薬・減化学肥料の農業を推進しています。その成果が出始めており、市内のいろいろな所でホタルが戻ってきています。生態系も徐々に回復しつつあり、希少動植物も増えてきており、昔の状態に戻りつつあることが確認できます。
 そうした取組が成果を上げつつある中で、田んぼの生態系の頂点であるコウノトリを飼うことによって、コウノトリをシンボルとして野田市が自然豊かで安全な環境であることをアピールしています。コウノトリは、昨年7月に関東初となる試験放鳥を実施し、今年6月にも第2回目となる試験放鳥を実施しました。
司会 そうした自然環境の中で、お話にありました減農薬・減化学肥料の農業への取り組みでは、今どんな状況ですか。
市長 今、若い人たちは食の安全、「顔が見える農業」といったことに非常に敏感になっています。野田市では、若い人たちが頑張って、安全で美味しい農産物づくりに従事する姿がみられます。市の田んぼの半分以上(500ヘクタール以上)が、農薬の代わりに黒酢を撒いて米づくりを行っています。
 就農したいという若い人も出てきており、いま市では4名ほどの就農希望の若者を支援しています。彼らの就農意欲は力強く、将来的には独立を希望している。彼らの中には、米だけでなく、野菜づくりをめざす者もいて、新しい農業の形が、彼らの取り組みの中から生まれようとしています。
 農家の後継者難が言われていますが、逆に農業とは別のところから就農したいという若者が出てきています。そうした人たちが農業を続けていけるかどうかは、投入する労力に見合った収入が確保されるかどうかにかかっていると思われますので、新しく農業に進出する若者らに、農産物の栽培方法を提供したり、生産された農産物の商品化、ブランド化を進めていくことがカギを握ります。
若い人たちが頑張る街、伝統的な結束力の強さ
司会 若い人たちが引っ張る農業というのは、希望が持てますね。商工業などの分野でも、若い人の活躍が期待されますが。
市長 会議所の青年部、JCといった若手が頑張っています。野田市はまだまだ「伸びしろ」があると思って、いろいろなことに挑戦しているところです。その場合、行政主導よりもなるべく民間の方から動き、それを行政が支援するという形になればと思っています。
 いま、私の方でも市の小中学生全員に「これからの野田市をどういう街にしたいか」を聞くアンケートを考えており、1月にもこれを実施する予定です。野田市の新たな魅力、子供たちに夢を与え、子供たちの夢となる街、子供たちがずっと住み続けたいと思ってもらえる街をめざす。いつの世でも、社会を動かすのは若い人たち。若い人たちには、この街の良さ、歴史、伝統を知ってもらい、その上で次の時代、野田市に住み続けて、野田市を変えていってほしいですね。
田中 同業者の集まりを見ても、周辺の地域と比べて、野田市の人たちの結束力は強い。参加率の高さに、それが現れています。そのような気風、結束力の強さは、今後のまちづくりでは大きな資源となるのではないでしょうか。
市長 外から見ると「保守的」にみえるでしょうが、中に入ってしまうと、非常に親密で面倒見が良く、結束が強いと言われています。
 野田市の産業を見る場合、キッコーマンの存在は依然として非常に大きく、今後もさまざまな役割が期待されます。また、野田市は昔から農業が盛んであり、今後もそうあり続けるためには、農業の再生が大きな課題であると思っております。
 その上で見通すと、野田市の地理的条件(常磐道や圏央道に近い、など)から企業進出の引き合いも来ていますが、工業団地が満杯状態で、誘致が進められない状況です。今後さらに工業団地の拡幅整備を考えていきますが、現在引き合いの多い物流関係の進出だけでは、雇用の受け皿として不十分なので、製造業企業の誘致を進めていきたい。
 また、住みやすさという意味では、利便性の観点から、東京直結鉄道の実現が野田市民にとって長年の悲願です。これは、八潮駅でつくばエクスプレスに連結することで、野田市から都心まで直結する鉄道の実現を図る構想です。東京都心から30km圏にありながら、クルマで行けば30分程度ですが、電車で行くとTXを使っても小1時間かかってしまう。今の若い人たちは「クルマ離れ」しているので、電車その他の公共交通の整備が、住みやすさの中で大きな比重を占めます。その意味で、東京直結鉄道は、今後ともまちづくりでの悲願といえ、これの実現が、当市が抱えているいろいろな課題について、最大の解決策になるのではないかと思います。
行政と地域企業が連携して
待山 これは、地元企業(野田市だけでなく、東葛地域の同友会会員企業)からの提案です。地域の中で「うつ」状態などで社会生活を送るのが困難な人たちを支援する事業を行政が実施していると思いますが、そうした人たちの社会復帰を助ける一環として、私ども同友会会員企業からもいろいろと提案、ご協力をさせていただきたいと思っています。
市長 地域の企業からのそうした提案は、大歓迎しますし、こちらからもぜひご協力をお願いします。市の商工観光課が窓口となり、地域の企業さんとの具体的なプランを練っていきたいと思います。商工観光課とともに「自然経済推進部」を構成している農政課では、「うつ」状態の人などに農作業を通して、社会復帰の準備を支援する活動などを行っている団体とも連携して、ご提案の具体化を図っていければ、と思います。
 中小企業の若い人たちが元気に頑張ってくれることで、街も元気になります。これからも地域の企業や住民の皆さんからのご提案、皆さんの活動に対して、行政が必要な支援を行うなど、民間と行政が連携して、地域を元気にし、発展させていくことをやっていきたいと思います。

(文責・広報部会長 武藤 弘)

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