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我がまち探訪記 【その11】

 豊富な天然資源の上に
 多様な産業集積を図る   茂原市

我がまち探訪記シリーズの第11回目は
茂原市の田中市長を訪ねました。

訪問先 茂原市長 田中豊彦氏
出席者 武藤弘広報部会長(司会) 岡村大作副代表理事
     吉田大地茂原支部幹事長  高橋陽香事務局員


茂原の夏を彩る七夕まつり
司会 このインタビューを載せた「同友ちば」が発行されるのは7月1日です。7月といえば、茂原では七夕まつりで「夏本番」ですね。
市長 今年の七夕まつりは、7月29日(金)から31日(日)の3日間開かれ、七夕飾りはもちろんですが、踊りあり(もばら阿波おどり、YOSAKOI鳴子踊りなど)、歌あり(芸人・ものまねお笑いライブ、街コン・モバコンなど)のバリエーションに富んでいます。
 昭和29(1954)年から続けている、茂原・夏の風物詩であり、商工会議所が中心となって、市内の商店や企業も協力、市民の気持ちが一つになるとともに、市外からも多くの観光客が訪れる一大イベントです。全国的には、平塚、仙台の七夕まつりが有名ですが、これらに次ぐ三番目の七夕まつりの地位を狙っているというか、自称「第三位」の七夕まつりを名乗る地域がいくつかあるようですが(笑)、われわれのまつりも、平塚、仙台に次ぐものだと自負しています。

天然ガス資源を活かしたまちづくり
司会 7月ということで七夕まつりの話から入り、盛り上がってしまいましたが、「茂原の魅力」としては、そのほかにどんなことがありますか。
市長 茂原は、昭和27年に市政が施行されました。その直後から日本経済は高度成長期に入るわけですが、この流れに乗るきっかけとなったのが、この地域に豊富に埋蔵する天然ガスでした。国内で天然ガスが採れるのは茂原と新潟だけですが、特に茂原は国内最大の天然ガス産地です。
 この豊富な天然ガス資源を利用して、市内には関連の産業が多く立地しており、これが地域産業の基盤となっています。関東天然ガス、合同資源といった天然ガスそのものを扱う企業から、天然ガス採掘の際に付随して産出されるヨードを扱う企業として伊勢化学、日本天然ガスなどが立地しています。
 また、三井東圧化学(現・三井化学)が、天然ガス資源を原料に肥料の生産工場を昭和の初期に立ち上げたのに続いて、日立製作所は天然ガスを使ったブラウン管の製造で進出、東芝の工場も立地されました。こうした大手企業の進出により、天然ガスを利用する、非常に裾野の広い産業集積が形成されてきました。
司会 豊富な天然ガス資源の存在と、それを活用した産業集積が、茂原の産業構造、まちづくりの一大特徴といえますね。
市長 埋蔵量からいえば、まだまだ600年とか800年といった可採年数が見込まれているので、今後とも大きな可能性を有するといえます。ただ、最近では地盤沈下の問題も指摘されているので、こうした問題を適切に対処しながら、新しい技術により、ますます裾野が広がっていく、天然ガス活用産業の集積が進むと思います。
 ヨードなども昔は消毒剤など用途が限られていたのが、液晶TVやレントゲンの造影剤など用途が広がり、日立・ソニー・東芝の中小型ディスプレイ事業を統合したジャパンディスプレイも、2012年に茂原事業所を稼働しました。

企業同士の横のつながり
司会 これだけの産業集積があると、事業所間で連携、提携するメリットも考えられますね。
市長 このような市内にたくさんの有力な企業が集積していることから、今後の課題としては、これらの企業が相互に横の連携をとったり、繋がっていくことが重要だと考えています。
 このため、「茂原市内製造業ガイドブック」という冊子を作りました(縦長変形サイズ、全216頁、104社掲載)。
 このような冊子を作ったのは、市内にたくさんの事業所が立地、生産活動を行っている一方、お互いのことについてあまり情報がないという状況にあります。各事業所の関係者間に横のつながりができれば、事業提携によるメリット、たとえば今まで遠方から原料や資機材を仕入れていたのが、同じ地域内から調達できるとなれば運搬コストの大幅な節減にもなります。
 事業提携の例としては、妙中鉱業(金属を強化する材料であるモリブデンを製造)がアミノ酸抽出技術を確立、これを沢井製薬に提供する動きや、ジャパンディスプレイが三井化学とスマホ向け接着剤で提携する動きなどが出ています。三井化学はもともと韓国LG向けにスマホ向けの接着剤を提供しており、こうした関係を地域内でも確立できれば、両者にとって大きなメリットが生まれると思われます。
 もともと大手企業と中小とのつながり、系列的な関係を通じて、幅広い裾野の広がりはあったのですが、円高により大手企業は海外に生産拠点を移す動きが活発化する中で、従来のピラミッド型の提携関係は崩壊し、現在は新しい経済環境や産業構造に合わせた、新しい提携のあり方を探っている段階です。

新生産拠点・茂原にいはる工業団地
司会 経済環境の変化に応じて、企業の側も生き残りをかけてどんどん進化、変化しているのですね。
市長 現在市内で操業している企業が自らを変えていっている一方、今後大きな期待が寄せられるのが、造成中の茂原にいはる工業団地です。これは、県が整備を進めている工業団地ですが、圏央道の開通効果をフルに活かした、優位性の高い工業団地になると思います。
 圏央道茂原北IC、茂原長南ICと茂原長柄スマートIC(仮称)というトリプルインターで世界、国内各地とダイレクトにつながるというのがキャッチコピーで、これらICにより羽田、成田の両国際空港と1時間でつながるのは茂原だけという地理上の優位なポジションは、実際に工業団地が姿を現していくのにしたがって、十分に発揮されてくると思っています。

厳しい行財政改革の歩み
司会 『茂原市まち・ひと・しごと創生総合戦略』によりますと、2040年の目標人口8万5000人(現在約9万1000人)をめざし、そのために地域雇用の創出など、さまざまな施策を実施していくとあります。最後に、将来展望について伺いたいのですが。
市長 天然ガス資源を活かした産業集積、茂原にいはる工業団地への企業の進出などにより、茂原が中心となり、近隣地域の人たちの働き場所になることを目指し、雇用の創出、人口の社会増への転換などを図っていきます。また、天然ガスを利用して、新たにガラス工芸作家たちがここに創作拠点を構えるなど「ガラス工芸のまち」など、交流人口の増加も取り組まれています。
 私が市長就任時には約800億の負債が市財政を逼塞させている感じがしましたが、この間の行財政改革により約600億程までに改善してきています。3億円というレベルにまで落ち込んでいた財政調整基金も、46億円まで積み上げてきました。
 今後、シャッター通り化している商店街、市民会館の老朽化など、課題も山積していますが、新しいビジネスに挑戦する地域の企業も多く見られ、しかもこれらの企業は、行政からの要請を待つのでなく、皆自主的に課題に取り組んでいます。
 今後も、こうした地域企業同士の横のつながりから何かが生まれてくることを確信して、地域の未来を切り開いていきます。

(文責・広報部会長 武藤 弘)

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