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我がまち探訪記 【その8】

 観光と一体となった産業振興で、
 魅力あふれる街に  木更津
 県内各地を訪問し、その街の魅力を聞いて回る本シリーズ。第8回目を迎える今回は、海や緑などの自然にあふれる房総有数の観光都市・木更津市の渡辺芳邦市長を訪ねました。

訪問先 木更津市長 渡辺芳邦氏
出席者 武藤弘広報部会長(司会)
      田中敏文広報部会員 大澤広久かずさ支部長
      逸見孝史事務局長


木更津市の魅力
司会 木更津市のまちづくりというと、やはり何といっても「アクアライン効果」ということをよく耳にします。最近の顕著な傾向として、アクアラインを通して木更津の方へ、ヒト、モノ、カネ、情報が集まってきているように思えますが。
市長 アクアラインが開通したのは18年前ですが、その当時は、人口流入の受け皿として、市内のいろいろな所で区画整理事業が行われていました。
 にもかかわらず、一種の「ストロー現象」が起こり、アクアラインのこちら側から反対側(川崎側)へとヒトもカネも吸い寄せられるように出て行ってしまう時期を経験しました。当時は期待値ということで木更津駅前では坪1000万円以上にも膨らんだ地価は、今は坪30万円くらいに落ち着いていますが、当時は人々の思惑だけで地価が上がるだけ上がり、その後、思惑がはずれたことからどんどん下落、ついには商業地の地価下落率が4年連続日本一という状況にまで至りました。駅前もシャッター通りと化し、一時は本当にさびれた地域になったのです。
司会 しかし、現在は「ストロー現象」の逆、つまり木更津側へヒト、モノ、カネ、情報が集まっているようにみえます。どのあたりから現在のような状況に転換したのですか?
市長 やはり、6年前に森田知事が国交省とかけ合って、社会実験としてアクアラインの通行料を800円に引き下げた影響が大きいですね。これによって、市内の観光入込客数を平成21年と26年とで比較すると、約2倍に増加しています。三井アウトレットパークやイオンモールといった大型ショッピング施設が進出し、アクアラインを通る高速バスに乗って、買い物客に来て頂く流れができたり、地元に数千人規模の雇用が創出されるなどの効果が生まれました。
 対岸の神奈川県や近隣市から転入してくるケースも増え、ここ10年ばかり市の人口の増加傾向が続いています。昨年も県内で5番目の増加率で、あと10年程度は人口増が続くと見ています。
司会 アクアラインの効果があったとはいえ、交流人口ばかりでなく、定住人口まで増加しているというのは、すごい話ですね。改めて、木更津の魅力とは何だとお考えですか。
市長 木更津は古くは商人の街として発展してきました。もともと市外の人を気持ちよく受け入れる気風があったのですが、50年ほど前に新日鐵(現 新日鐵住金)が君津に進出したことも、そうした「木更津人気質」に一層磨きをかけてきた感じがします。
 加えて、「適度な田舎」であることが、移住先として気に入られ、選ばれる理由になっているようです。東京湾でこれだけの規模の干潟が残っているところはなく、潮干狩りも市内6カ所でお楽しみ頂けます。
 震災の影響で一時は客足が大きく落ちこんだ潮干狩りですが、その後、安全性や魅力を継続して発信することで、今年のゴールデンウイークは、震災以前の水準(平成23年比約197%)まで回復しました。
 陸地も豊かな自然に恵まれている一方で、羽田から25分という位置は、『いつでも都会に出て行ける 田舎暮らし』をするには最適な地理条件だといえます。
大澤 賑やかになったのはいいのですが、最近では夕方など、アクアラインが渋滞するので、出荷作業などに影響が出るほどです(苦笑い)。
市長 たしかに、土日の夕方などは相当混雑していますね。そこで、「週末木更津計画」ヨル得サービスというのを試みています。これは、夕方の渋滞に巻き込まれる時間帯を避けて、アウトレットや市内をゆっくりと回遊することをお勧めするものです。
 また、冬場は毎週土曜日の夕方、花火を打ち上げ、木更津に来ていただいた方々に少しでも楽しみながら、渋滞緩和に協力していただく取り組みも行っています。
 最近は、若い人たちが、港の中にある出島でレゲエ・コンサートを開催するようにもなりました。 市にお金がない時期があったため、市民の皆さんは自分たちで工夫して取り組むようになったようです。お金がなくても、知恵を働かせることで、訪れても、そこに住んでも、楽しい地域にしてきた感じですね。
 木更津は、映画のロケにもよく使われることがあって、昔「木更津キャッツアイ」という映画のロケがここで行われました。年々、映画のロケが増えており、ほとんど毎週どこかで映画やドラマのロケをやっています。最近では、バラエティ番組の舞台にも登場する機会が増えているようです。
 やはり、街中にレトロな雰囲気が漂っているので、ロケ地として選びやすいのでしょうが、そうした環境なので、ロケーションサービスを立ち上げる動きも去年あたりから出ており、来年早々には本格的に立ち上げることになりそうです。

観光と一体となった産業振興
司会 そうなると、地元の産業も元気になってきますね。
市長 最近、農業をやりたいという若い人たちが東京からやってくるという流れがあります。田舎暮らしで農業をやりたいという人たちが、本当の田舎に住んでも、やがて都会が恋しくなって、帰ってしまうケースが多いと聞きますが、木更津の場合、適度な田舎というか、都会に出たければ、いつでも行ける距離なのが強みとなっているようです。特に、有機農業に挑戦する人たちが最近増えています。
司会 木更津の大きな資源である海での漁業はどうですか。
市長 漁業そのものは、漁場の環境変化などから、本市の代表的水産資源であるノリ・アサリの生産が減ってきているという状況で、漁業に従事する人たちも少なくなってきています。しかし、逆に潮干狩りなど、都内の子供たちなどに漁業を体験してもらうという流れが出ています。農業体験、漁業体験、また干潟の生態系を観察するといった学習も増えています。
 漁業関係者が都内の学校などを回り、プレゼンをしたり、誘致する取り組みも盛んになっています。
司会 お話を聞いていると、自然環境、観光、産業ということが一体となって進められている感じがします。
市長 そうなんです。市外から来られる方々に「自然にふれる」体験をしてもらうのが木更津市の観光の基本と位置づけて取り組んでいますが、その一環として、農業や漁業の体験をしてもらうなど、自然、観光、産業振興を一体のものと考えて取り組んでいるところです。
 現在、「アクアラインを活用した地域づくり」というテーマで事業展開していますが、具体的には、@観光プロモーション事業として、対岸(東京・神奈川)向けの潮干狩りPR用ノベルティ・チラシや観光パンフレット、観光プロモーションビデオの作成や更新、A海ほたるを活用した定住促進プロモーション事業(木更津エリアガイドの作成)、B戦略的広報展開事業として、かずさFM「ステップアップきさらづ」番組制作、C東京湾アクアラインを活用した地域づくり推進協議会「アクアラインで房総へ!」サイトの管理・運営など、多角的に取り組んでいます。
 また、地元企業の育成・支援策として「(仮称)産業・創業支援センター」をこの9月にも立ち上げる予定で、現在準備を進めています。これは、各種経営相談、起業・創業相談の受付(伴走型・フォロー・無料コンサルティング)、各種セミナー等の開催、産業支援機関のネットワークの構築、ビジネスマッチングなどの業務を行うもので、農業までカバーした地元産業の総合支援センターとなります。
司会 本当に、躍動感あふれ、日々変わりゆく木更津市という感じを受けました。今日は、どうもありがとうございました。

(文責・広報部会長 武藤)

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