千葉県
商工労働部
千葉県産業情報
ヘッドライン
中同協 e.doyu 会員検索 JOBWAY
 
我がまち探訪記 【その6】

 市制80年を迎えて、
 絶えず新しい流れを生み出す  市川
我がまち探訪記シリーズの第6回目は、今年11月3日に市政施行80周年を迎えた市川市の大久保市長を訪ねました。

訪問先 市川市長 大久保博氏
(同席) 市長公室秘書課 荒木徹氏
出席者 武藤弘広報部会長(司会)
      山口雄二広報部会員
      渡辺雅基市川浦安支部長 小山京子事務局員


3つの顔をもつ市川
司会 今年は市制80周年ということで、いろいろな記念事業、イベントなどが開催されていますね。市川市のまちづくりの現状と今後の発展方向ということで、お話を伺いたいのですが。
市長 東京に隣接する市川市は、早くからベッドタウンとしての発展をたどってきたこともあって、開発余地は多く残っていません。これ以上緑を減らしたくないという思いもあります。ただ、そうはいってもある程度の開発はしていかないと、まちの活力が維持できないことになります。
 大震災の少し前から人口減少が始まり、昨年から回復に転じているのですが、なぜ回復したかというと、やはり開発です。古いマンションには若い人は住みたがらないという傾向もあり、開発・再開発によってまちの新陳代謝を効果的に図っていく必要があります。
 市川市は3つの顔をもっています。行徳地区は、人口密度が高く、農地はほとんどなく、住宅地が広がっているのに対して、市の中心部は歴史と文化に彩られた地域であり、この辺りが「落ち着いた雰囲気」を受けるのだろうと思います。また市の北部へ行くと農業が中心で、特に梨の栽培が盛んです。こうした地域ごとの特色を大きく変えることなく、活力のある街づくりを進めていこうと考えています。
 これら3つの地区のうち、北部には耕作放棄地が点在するほか、空き地は資材置場や大型車の駐車場に使われるなど、とかく荒れた印象を受けます。景観的にも芳しくないし、又、残土などが放置されている場所も見受けられるなど、景観的にも芳しくないため、まちづくりに支障となるケースもあります。
 そこで、JR武蔵野線が走っているこの辺りに駅を作る構想を検討しています。 

北部に鉄道新駅構想
市長 新駅(仮称・南大野駅)を考えているのは、大野駅と船橋法典駅の間の辺りですが、駅を作るには周辺に街があって、駅を利用する人がたくさん住んでいる必要があります。
  人口がどのくらいになるか、商業が成立するか、それによって鉄道を停めるだけの利用者が確保されるか、また地権者の理解が得られるかなど、さまざまな角度から、シンクタンクにも調査を委託するなどして、可能性を検討してきています。
司会 たしかに、これは町を一つ作るような話ですね。
市長 そうなんです。そうしたことに加えて、一番大きな問題は市の財政力がそこまで賄えるかということです。市が鉄道会社にお願いして作る駅(請願駅)なので、駅の建設費は地元の負担となり、それだけでも数十億かかると見ています。これに周辺の道路など都市基盤の整備を含めると、相当な費用が必要になります。
 いずれにしても、これまでの検討を踏まえて、近く決断することになろうかと思います。
渡辺 そうした構想を実現する過程では、民間の力、特に地元の企業をどう活用するかということも重要になると思いますが。
市長 もちろん、ある段階で民間企業の力を借りなければなりません。大手と地元の中小企業さんとが手を組んでいただき、いろいろやっていただくことが出てきます。大手さんだけだとうまくいかず、やはり地元の事情をよく理解している中小企業の皆さんのご協力が必要です。
 開発余地という意味では、このように北部の空き地をどう活用していくかということが大きなテーマであり、あとは中心部などは再開発しかありません。再開発ができれば、街全体の若返りも期待できるのですが、これまで行政主導でやってきた再開発ですが、これからは民間に頑張っていただかないと、財政的に無理な状況といえます。
山口 基本的な開発は済んでいるので、これから大きなハコ物を建設する話はあまり聞かないようですが、ただ、この市役所の庁舎は相当古そうですね。さっきもロビーで、皆で、天井は低いし、地震が起きたら大丈夫かなと、顔を見合わせていたのですよ(笑い)。
市長 どうしても庁舎などは後回しになっていくうちに、すでに築50年を経過してしまいました。耐震強度が著しく低いという指摘を受けているので、この庁舎と、近くにある第2庁舎を建て替えなければなりません。また、市民会館も同じように建て替えをしないと、市民の皆さんに安心して使っていただけません。

ブランド振興、女性の視点を
司会 産業振興という面では、どんな取り組みをされていますか。平成23年度に「産業振興条例」を施行されていますが。
市長 大きな製造業のような産業は少ないのですが、農業は梨が生産高では全国でトップという地位を占めています。かつて一定の比重を占めていた漁業は、従事者が減って、勢いを失っており、農業、特に梨の生産農家への支援が大きな位置を占めます。井戸掘りへの助成金や、農家の回りに住宅地ができてきているので、農薬等の飛散防止ネットといった生産農家への補助のほか、今後は、都内で梨の無料配布など市場開拓面での支援、また最近ハクビシンが家に住み着いて、農作物への被害が発生するケースが出ているので、駆除対策などの助成、支援を行えるよう検討しています。
 商業に関して言うと、大手の進出で個別の商店会などは衰退傾向にあるのは否めません。そこのテコ入れをいろいろやってきたのですが、やはり商店会自らが打って出るということでないと、行政の支援だけではどうにもなりません。 商店会独自の取り組みとしては、梨のブランド化ということで「市川地域ブランド協議会」を結成して、各商店が梨の加工品開発に取り組んでいます。 また、市川パン菓子商工組合が市の花であるバラを使った、最中などの和洋菓子「いちかわバラ物語」の開発に取り組んでいます。
 市川の人が「お土産」を持って行こうとしても、これが市川のおみやげといえるものがなかったことから、市川らしさ、市川のお土産を作ることで、市川の魅力を発信していこうということです。 また、大手の山崎製パンさんが「ランチパック」という商品の中で市川の梨を使っていただいて、これも非常に好評のようです。
司会 その他、産業振興という面で、特徴的に取り組んでおられることはありますか。
市長 今、安倍政権が「女性の活躍」を大きなテーマとして取り組んでいますが、実は私、安倍政権よりも早く女性政策に取り組んでいまして(笑い)、一つは女性の起業家を対象とした、100万円を限度とする起業資金制度を今年度からスタートさせ、応募9件の中から4件に資金補助を行いました。
 行政の中でも、市の職員や審議会委員の女性の比率を高め、もっと女性の視点を行政の意思決定に反映されるようにしているところです。ちなみに、副市長も女性で、プロパー職員から採用しています。

◆取材後記◆
いつも新しい流れがある市川
 大久保博市長インタビューの後、市制施行80周年を迎えた市川市のシンボルマークとキャッチフレーズが決まったとのニュースが飛び込んできた。
 シンボルマークは、市川の「市」「@」、そして「1」「川」をシンボライズした。3本の線は、市川市の基本構想の3つの基本理念である「人間尊重」「自然との共生」「協働による創造」を表現している。キャッチフレーズは、公募作品の中から「いつも新しい流れがある 市川」と決まった。
 80周年という節目を迎えた市川市。成熟の中にも「若さ」を保ち、絶えず「新しい流れ」を創り出していくことだろう。

(文責:広報部会長 武藤)

ー我がまち探訪記 へもどるー

事務局
〒260-0015
千葉県千葉市中央区富士見2-22-2
         千葉中央駅前ビル7F
TEL 043-222-1031 
FAX 043-222-8207
≪時代を切り拓く!若手経営者に聞く≫
≪千葉同友会の足跡を探る≫
≪功労者をたずねて≫
≪我がまち探訪記≫
≪千葉同友会案内パンフレット≫