千葉県
商工労働部
千葉県産業情報
ヘッドライン
中同協 e.doyu 会員検索 JOBWAY
 
我がまち探訪記 【その4】

 市民、行政、中小企業の協働による
 持続可能な都市づくり
我がまち探訪記シリーズの第4回は、東葛地域の産業・交通の要所で、近年大学や研究所などが置かれ文教地区としても発展著しい柏市の秋山市長を訪ねました。

訪問先 柏市長 秋山浩保氏
(同席) 商工振興課長 小宮山勉氏
      地域づくり推進部秘書広報課長 三枝裕之氏
出席者 武藤弘広報部長(司会)坂本吉敬東葛支部長
      皆川悦子東葛支部副支部長

司会 本日はお忙しい中、お時間を割いていただき誠にありがとうございます。本日は、柏市長に柏市の魅力や産業振興・地域振興等について力を入れていること、地元中小企業への期待についてお話を頂きたいと思います。
 はじめに柏市の現状と特徴などについてお伺いします。
市長  産業構造としては元々工業団地の開発がされていましたが、住宅が建ち始めて、新規参入はだんだんと難しくなってきました。東京へのベットタウンでもあり電車通勤で出る方が多い都市です。人口は現在406,686名。東日本大震災後は、ホットスポットの影響により人口が一時的に減りましたが、今年度から人口が増え一戸建ても増えています。
 現在の柏の経済の強みは物流業です。散らばした物流拠点を集約している流れと、インターネットの販売により、翌日運ぶニーズが増えているため物流倉庫のテナントが入ってきています。柏インターも近いので便利ですし、首都圏にも近いので、たくさんの人を採用できることがメリットです。そしてやはり商業経済の中心は柏駅前であります。最大の集客場所としては高島屋とステーションモールがあります。大変競争は厳しいですが全国で流行っているテナントを入れることで若い人たちが集まる拠点となっています。現在は、柏で一番人通りの多い二番街の再開発が進んでいます。

市民との協働のイベント・街づくり
 今までは商店単位でやっていた事業を市が旗振り役をし、市民と協力して市全体で開催する象徴的な事業をしようと意識をしています。今年は、柏街ごとキッザニア(こどもの職業体験)を開催しました。実際のお店や銀行、市役所、警察署など約70の場所で職業体験を行いました。また12月20日〜22日の3日間で1万人を超える人たちが参加した柏駅東口のそごう柏店の壁面を使ったプロジェクションマッピング(壁面にプロジェクターを使った巨大な映像ショー)を開催しました。開催にはボランティア募集をし、市の職員と一緒になって喧々諤々しながら取り組みました。柏市民の方は都内で働いている方も多いので、地元柏もすごいと思ってもらえるような象徴的な取り組みを来年も市民と協力しながら行っていきたいと思います。
 また、TXの柏の葉キャンパス駅周辺では単なる普通の街づくりではなく、大型公園や大学と組んで、ゼロから市民の方々が主体的に関わって、主体性を持った住民が住める街づくりに取り組んでいます。近未来的な街づくりを意識し、災害時には電気が止まっても最低限生活ができ、エネルギーの自給自足ができるような街です。太陽光も活かしながら、ガスタービンを回すことで電気を起こす仕組みも取り入れています。
司会 さきほどお話された市民と市の職員との協働事業や、市民の地域への参加意識を高める取り組みは素晴らしいと思います。
市長 失敗する可能性はありました。どうしても役所は委託して終わりのような部分もありますが、価値観も違う中で、市民たちと前向きにぶつかり合いながら取り組んだ経験は大変重要だと思います。未来へ向けての取り組みであり、自発的に地元のために動く市民が出てきてくれると良いです。
司会 柏は昔から市のイメージづくりがうまい印象があるのですが。
市長 実態は周りの市と変わらないと思います。過去の先輩方がやってこられた街の印象作りに続き、私も市の次世代に向けたイメージづくりと特に発信することを大事にすることを意識しています。
皆川 最近では地元の商工会議所青年部の活動も良かったですよね。
市長 自分たちの街が良くならないと自分たちの経営も良くならないという基本に戻って、街への貢献や関わりを持とうという若い人たちが活動をしています。今年は6時間耐久のリレーマラソンで1,500人を集めました。いろいろな方々が損得なしで集まって良い活動をしようとしています。

市民と協働で、町会による除染活動
市長 一時期、子育て世代が放射能の問題により数100単位で出て行かれるなどホットスポットで苦労していました。そこで町会で除染をしましょうと呼びかけました。結果的には100くらいの町会、1,000人規模で職員と手を組んで行うことができました。これはなかなか他の町ではできていないことだと思います。参加された方々には、今まで地域活動に参加したことのない若い30代の方々が自分たちでやろうと声を上げてくれました。ただ、最初は信頼関係を作るためにぶつかりました。除染の説明から始めました。吹き溜まりにたまっているところは数値が高いのですが、土をひっくり返してかぶせれば数値は下がるわけです。放射能の数字を自分たちで下げることで安心感が出てきたわけです。自分たちでできることは自分たちでやろうという市民の意識の高さにはびっくりしました。若い人たちがやりましょうと実際に手を動かし、実績を出すことで意識が変わってくるという私も学びました。企業も同様の部分があるかと思いますが、新しいことに取り組むときにリーダーが率先することが大事だと思います。

未来を担う地元中小企業への期待
司会 地元中小企業への期待についてお願いいたします。
市長 不動産業ですとローカル性が強いと思いますが、物販やスーパーは規模の利益が効いてくるので、ナショナルチェーンのほうがどうしても強くなってしまう流れは強いです。駐車場もあり、なんでもあるスーパーやインターネットで注文するほうが楽です。ただ、便利や楽を追求すると、地元の会社が入る隙間がなくなります。便利だからといって楽に流れると長い目でみると失うものは大きいと思います。
 人の幸せは、便利な環境で豊かに暮らすという価値観もありますが、もう一方で、信頼できる友達、家族、地域で居場所があること。自分の尊厳が認められ、自分が受け入られてもらえる居場所がある。これは長い期間を得て、ローカルの中で人々の信頼関係を築き上げて初めてできるものだと思います。そのときに大事な役割を担うのは地元で商売をされている中小企業です。地域のお祭り、災害があったときなどきっかけは地元の方々です。地元の方々がいなくなり、単なるベットタウンの都市ではどうなのか。便利を追いかけた結果が老後になったら不幸せになる可能性があります。地元の企業が、地域のさまざまな所々で動き、横のつながりをすることが都市の形成をつくる上で大変大事です。とにかく、地元優先したいという考え方が私にはありますが、一方で貴重な税金だから地元の企業に発注するよりインターネットで安く発注するほうが良いという価値観もあります。価値観の違いですからぶつかり合います。そこは徹底的に議論するところだと思います。
司会 住民の理解がないとできないですよね。大手と比べて競争入札では価格競争力はないですが、災害があったときなどの一時出動は地元企業ですよね。

協働による持続可能な都市づくり
市長 役所も競争入札の方が楽です。今までは入札だけをしていればよかったわけですが、今の方針となって大変だと思います。どうしても規模の利益でかなわないところはありますが、大事なことは地元の企業と行政の頑張りです。自分たちの良さ、存在感をどうアピールするかどうかという部分です。例えば、本業を通して地域での取り組みをするなど、大手にはできない中小企業の強みを発揮することが大事です。長年続いている企業は、事業の根柢にある哲学、規範、社訓がしっかりあり、社員に根付いているところでないと長く続かないと思います。企業側は自助努力でより良い企業を目指してもらう。地元企業の努力に対して行政はフォローをしていくという関係を作っていきたいと思います。
 今後も、柏市では市民と行政と地元中小企業が協働し、同じ人間同士の関わり合いの中から今薄れているものを構築していくことを通して、長期的に持続可能な都市づくりに取り組んでいきたいと思います。私も市長として、市民の方々にもっとわかりやすく今後の街づくりのビジョンを噛み砕いて説明することの大切さを感じています。 司会 市の目指している街づくりや振興条例づくりには、国民や地域と歩む中小企業を目指している地元の中小企業家同友会の会員企業は活用できるのではないかと思います。ぜひ今後ともよろしくお願いいたします。この度はお忙しい中、誠にありがとうございました。

(文責:事務局 加藤)

ー我がまち探訪記 へもどるー

事務局
〒260-0015
千葉県千葉市中央区富士見2-22-2
         千葉中央駅前ビル7F
TEL 043-222-1031 
FAX 043-222-8207
≪時代を切り拓く!若手経営者に聞く≫
≪千葉同友会の足跡を探る≫
≪功労者をたずねて≫
≪我がまち探訪記≫
≪千葉同友会案内パンフレット≫