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我がまち探訪記 【その2】

 9月号より開始した「我がまち探訪記」シリーズの第2回は、政令指定都市では一番若い市長として注目を浴びている千葉市長の熊谷俊人氏を訪ね、お話を伺いました。

訪問先 千葉市長 熊谷俊人氏
出席者 遠藤隆広報部員(司会)
     細矢孝副代表理事・政策委員長
     小林透千葉東支部長 板谷保千葉西支部長


司会 お忙しい中、時間を割いていただき誠にありがとうございます。本日は、熊谷千葉市長さんに千葉市の魅力や今行政として産業振興・地域振興等について力を入れていること、また千葉市の将来像などについてお話を伺いたいと存じます。
 はじめに千葉市の魅力・特徴などについてお伺いします。

千葉市の魅力・ビジネス上の優位性
熊谷 千葉市は立地的にも交通アクセスの点でも非常に恵まれていると思います。成田・羽田にも近く、また首都圏の中では土地や賃料も比較的安く、ビジネスを行う上で大変有利な地域ではないかと思いますね。また大学も大変多くて、人材供給の点でも恵まれています。
 千葉市では、現在経済部門に大変力を入れており、経済を盛り上げて、学生・若者の起業が増えていくことを目指しています。

千葉市の経営支援プログラム
 千葉市は様々な経営支援プログラムを持っていまして、新しいビジネスを起こすことを支援するため、@インキュベート施設を設けていますし、A「CHIBA-LABO」というコワーキングスペースを新設し、起業家が手軽に利用できるよう工夫しています。また、B中小機構・千葉大学と連携してバイオや薬学関係のインキュベート施設も運営しています。さらにCベンチャーカップという新規性・ 独創性に富み実現性のあるビジネスプランを募集して表彰する制度もあります。
 今力を入れているのは外からの企業の呼び込みです。企業誘致というと中はどうなのかという意見が出されますが、外から企業が入ってこないとパイが増えていきませんので、仕事の発注も雇用も増えません。市内だけでは千葉市の経済活動のパイを増やすことは難しいので、それなりの支援策を出しているのです。
司会 なるほど。私ども企業側としても既存商品やサービスを見直し、新しい事業展開を行うことが求められています。現在地元にある企業への支援はいかがでしょうか。

注目される「マイレージ型」投資支援
熊谷 10月より「マイレージ型」と言って、3年間の投資の累計額が一定額に達すれば支援する制度を作りました。体力がない中小企業の場合、一度では大きな投資はできませんので、単年度主義からの切り替えを図っております。
司会 それは有難いことですね。
熊谷 なんと言っても地元の企業が事業を拡充していただかないと地域が活性化しませんからね。我々も日進月歩で企業の経済活動を支える支援策を充実させるように努力しています。
 金融支援の点では、新規開業や、市内企業が新たな事業展開を行う場合等に、利子補給を行っています。政令指定都市ではそれをやっているところは多くはないと思います。市の税金を使って、リスクを少なく初期投資ができるように手厚い施策を行っていると自負しています。
 また建設業の場合、私どもでは規模を拡大してもらいたいという思いがありますので、例えばBランクとCランクの企業が合併した場合、従来Bランクの受注しか応募できないということがあったのですが、経過措置として両方の応募ができることにいたしました。
  発注する上では総合評価方式を導入していますので、値段だけで勝負するのではなく難易度の高い受注でも中小企業に実績を挙げていただきたいと思います。
司会 個人的な意見ですが、随意契約を復活することも大事ではないかと思うんですね。毎年入札となると多くの中小企業にとって計画が立てづらく、結果として社員の採用を躊躇するということがあります。その辺はいかがでしょうか。

発注の際の経済性と地元企業育成とのバランス
熊谷 そうですね。ですから例えば土木事務所が発注する場合、地域要件というのを設けまして、市内を3つの地域に分け、工事場所がある地域内に本社がなければ応募できないといった制限を加えています。私たちは市の税金を預かる立場ですから、競争性を排除することは難しいのですが、かといって地元企業が疲弊することも避けなければなりません。このバランスをどう取るのかが大事なことだと思います。
司会 それでは、これからの産業振興、地域振興の取り組みについてのお話に移りたいと存じます。

どういう産業を振興するのかの追求
熊谷 これからは、どういう業種に力を入れていくのかということが大事になってくると思いますね。
 今まではどんな企業に集まってもらうのかという産業振興戦略は必ずしも明確ではなかったと思います。この点を今後明らかにしていく必要があると思います。
 それから雇用の問題が重要です。学生にメジャー志向があって、業績が安定している中小企業であっても採用コストがかかってなかなか学生が来てくれないという話をよく聞きます。ですから、市内の中小企業を掘り起していくことが大事です。市内の企業と学生をマッチングするために合同企業説明会なども行っています。
 大学3年生くらいになると行きたい企業が決まっているわけで、中小企業になかなか目がいきません。ですから大学の1、2年生といういわば白紙の状態の時に地元に魅力ある中小企業があることを伝えていくことが重要です。ですから皆さんのような中小企業経営者が熱く経営のことや仕事のやりがいについて語っていただける場を作っていくことが必要ではないかと思いますね。

子どもの頃から地元企業と接する機会を
細矢 私も中小企業家の端くれですが、小さい時から、小学生・中学生の頃から中小企業に接する機会をもっと作るべきだと思います。 パン屋になりたいとか電車の運転手になりたいとか、純粋な気持ちで仕事のことを見ている時期が大切だと思います。
 よく私は言うのですが、今の学生は「就職」ではなくて「就社」に目が向いているのではないかという気がします。こんな仕事がしてみたいという就「職」観をどう作っていくのか、教育委員会とも調整を図って、地元企業と接する機会を是非とも増やしてもらいたいと思います。20〜30年先の地域づくりを考えると、このことが非常に重要だと思います。

商売への意識の高い子供を
熊谷 その通りですね。これからはキャリア教育がとても大切です。私たちもキッズ・アントレプレナーシップということに目を向けていまして、西千葉子ども起業塾では子供がアイデアを出して、事業計画を作る際に地元中小企業経営者がアドバイスをし、店でサービスを提供するといったことをやっています。また新たに東京情報大学と提携して地元商店街や中小企業の活性化のために様々な試みをやろうとしています。
 私は思うのですが、この間、日本が失ってきたものが「商売」ということへの考えではないでしょうか。商売根性というものがもっと大切にされる必要があるのではないでしょうか。そういう意識を持った子供が地元で増えていくと、シリコンバレーのように起業家が増えていくと思います。アメリカでは子供のころからレモネードを売ると言いますよね。
細矢 このようになったのには様々な背景があるとは思うんですが、私どものような同友会とかライオンズ、ロータリーといった諸団体と連携を図りながら、商売の疑似体験を行うことが大切になっていると思いますね。
熊谷 商売への意識の高い子供が地元にたくさん出てくると、何のために勉強するのかも見えてきますしね。
細矢 大学に入るために勉強するといったことはおかしなことです。 子供たちは純粋なので、地元に仕事を通してどう貢献できるのかといったことを学べば変わっていくと思います。
司会 中小企業の社員でも、単に生活費を稼ぐためという人もいれば、自分の仕事が世の中にどう役立っているのか、貢献しているのかを考えながら仕事をしている人もいます。同友会では、自社の仕事の意味や働きがいをしっかり持った企業づくりをテーマに学び合っています。

仕事への誇り、社会への貢献の自覚を
熊谷 そういったことを学校の中だけでやるのは限界があります。やはり地元の経済人との関わりが大事です。
 それから一番気になっているのが、仕事を終えて家に帰ると、「自分のような仕事はやるなよ」と子供に言ってしまうパターンが多い風潮です。仕事を通して社会に貢献しているんだと誇らしく語られれば大丈夫なのですが、必ずしもそうはなっていない。
司会 職場がストレスの場になってしまっている現実がありますからね。
板谷 親の背中を見て育つことが少なくなっていますよね。
熊谷 多くがサラリーマン意識、つまり仕事はカネを稼ぐ手段になってしまっている。私は学校の先生によく言うんです。「『先生、大変ですね』と言われたら負けですよ」。先生がやりがいを持って仕事をしていれば必ず子供に伝わると思うんです。最近社会起業家というのを目指す学生も増えています。
 それはそれで結構なんですが、会社は社会に役立つものというよりカネを稼ぐためのものという風潮はいかがなものかと思うんですね。
細矢 やはり我々自身が気づくことが大事ではないかと思いますね。
 今日もいい仕事ができてよかったという大人が増える。千葉市に生まれてよかったという子供が増える。そうなれば地域は元気になりますね。我々も小・中・高校生、大学生ともっと接する機会を増やさないといけないと思うんです。最近は心を震わせるような機会が少なくなっていますよね。
熊谷 やはり経営者でなければ伝えられない起伏のある人生、仕事といったことを伝えることが大事ですね。
司会 痛みを感じながら物事を進めていくといった経験が少なくなっています。
熊谷 最近は職場体験でも、企業が子供に優しいと聞きますね。厳しいという評判が立つと今後に差し障りがあるということかもしれませんが、もっと社会の手応えを感じさせるようなことも必要ではないでしょうか。
司会 まだまだお話をお伺いしたいのですが、時間がまいりましたので本日はここまでとします。本日の市長のお話を糧に今後も経営に同友会活動に取り組んでまいりたいと存じます。どうもありがとうございました。

(文責:事務局 川西)

 

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