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我がまち探訪記 【その1】

第1回目は、今年4月に白井市産業振興条例を施行するなど、行政・農業・商業・工業・市民が一体となったまちづくりが注目される白井市を訪問しました。

訪問先 白井市長 伊澤史夫氏
訪問者 広報部会長 武藤 弘
      鎌ケ谷白井支部長 佐藤信嗣


武藤 本日はお忙しい中ありがとうございます。まず、白井市の魅力・まちづくりについてお聞かせください。
市長 白井市は、現在人口約6万2,500人です。町制施行が昭和39年、当時8,500人ほどの純農村地域でした。昭和42年に第1工業団地、その2年後に第2工業団地が整備され、現在工業団地内に約300社を超える企業があり、約7,000人の従業員が働いています。
 昭和53年3月、千葉ニュータウンの入居を開始し、入居前1万5,000人弱だった人口が、3年後には3万人を突破するという大きな変化時期を迎えました。成田空港と都心を結ぶちょうど真ん中に位置する非常に潜在力を秘めた町であることが特色だと思います。都市、農業、工業、商業、そして自然がバランスよく調和のとれた町であるとも言えます。
 白井市の基幹産業である農業は年間約50億円弱の農業生産高がありその約半分は梨です。千葉県は梨の生産量全国トップ、白井市は県内トップの生産量を誇っています。ですから、基幹産業である農業・梨を主体としたまちづくりを進めてきました。
 また、白井市の企業のほとんどは中小企業ですが、高い技術力を持つ企業が多く、リーマンショックや長引く不況の中でも倒産した企業は非常に少ないのも特徴です。
 商業は、町の商店の一部は廃業を余儀なくされていますが、新しい形のコンビニや大型店舗店ができ、古い商店も形を変えて生き残りをかけています。少し古いデータではありますが、商業関係の売上約880億円、工業関係は約1,000億円を超えています。従業員数は、平成22年の数字で、第1次産業1,150人、第2次5,500人、第3次2万2,000人となっています。

市内循環型経済を目指す
 白井市の経済を強くするには、白井市の経済を白井市内で回すのが重要だろうと考えます。生産したものが外部に出て行くのも大事ですが、白井市の中でお互いに融通し合えれば経済が回っていきます。例えば、4月から始めた「暮らし何でもお助け隊」もそうです。千葉ニュータウンが建ち34年が経過し、当時30〜40代で入居された方が、60〜70代になっています。入居当時、住都公団の中高層は5階建てが主流でエレベーターがありません。5階に住む高齢者が、エレベーターが無い中、日々の食料、例えばお米10キロを買ってどう運びますか。そこで昔あった『御用聞き』を考えました。お米や地元でとれた農作物を運んで消費していただく。運ぶことによって安否確認にもなります。現在お助け隊加盟店は70店を超え、更に募っているところです。
 基幹産業である農業の収入を増やすには、工業・商業と絡み合わせていくことが大切と考えています。農業工場をつくったり、遊休農地の利用もあるでしょう。商店街と連携して、生産物をその日のうちに地元へ売っていくこともできます。農業・工業・商業がお互いの良いところを出し合っていこうというのが、産業振興条例をつくる大きなきっかけでした。

人口増加を強みに
 これから白井市も高齢化が進みみますが、子どもも増えています。ベリーフィールドという地域に約5,000人近く住んでいますが、平均年齢は27歳と若く、35歳くらいの夫婦と10歳前後の子どもの居る家庭です。白井市は高齢者も多いですが、子どもも増えているという日本では特殊な地域かもしれません。また、人口も増え、平成22年の国政調査では人口伸び率千葉県トップ、全国でも6位です。こうした白井市の特徴を強みとしていきたいと思います。
武藤 工業団地をつくったあたりから、農業を軸として町全体で進めていこうという志向があったんだと伺えます。白井市の中で経済を回していくというのはすごく良いことですね。
佐藤 販売ノウハウを持っている人、高度な生産技術を持つ農家がいる中で、そこをうまくつないでいくのがこの産業振興条例だと思います。高齢化の中で、白井市は子どもも増えているので、商業に関しても新しい可能性がありそうですね。

いち早く高齢化を見越して
市長 日本3大ニュータウンとして千葉ニュータウン、多摩ニュータウン、大阪の千里ニュータウンがあります。千里から開発が始まり、多摩が続いて千葉にできました。千葉は多摩をお手本にしてきました。多摩は若い方が住む町だったのですが、白井より早く高齢化が進みました。そこで、10年後の姿は多摩だ、早めに高齢化への手立てをしないと間に合わないと考えました。外出困難者が生まれ、引きこもってしまうので足腰が弱り、最後は孤独死という悪循環です。あらかじめそれが分かっていればプラスにできます。その1つが、お助け隊やボランティアです。ボランティアで携わっている人の多くは、市民大学校の卒業生です。市民大学校は健康生活学部、シニア学部、しろい発見学部の3学部ありまして、卒業生がNPOやボランティア活動を通じて、自分たちの町を良くしていこうと取り組んでいます。

地域ごとの適切な対策を
 空き家が増えていますが、決してマイナスではありません。中高層マンションや一戸建てで十分に使える空き家に若い人を呼び戻せないかと考え、過疎地に先進事例があると思います。白井市内の地域によっては過疎化しているところもあるので、地域ごとに見ていかないと適切な行政はできません。市内9つの小学校区単位でものを考え、コミュニティ・まちづくりが動いています。例えば、高齢化対策、防犯対策の課題が出され、防犯ボランティアが回ったり、子どもの見守りをやったりと取り組んでいます。災害時の避難場所としても小学校区単位は適しています。

市民との対話を大切に
 市民との対話も大事です。中でも役所へ来ない、行政に参加しない方が圧倒的ですから、この方たちのニーズをどう把握するか、1つはタウンミーティングなど各地域に出向いて話を聞いています。難しいことですが、把握するための仕組み・制度をつくるのが、行政の仕事だと思います。
佐藤 お助け隊のような取り組みが、民生委員など他の組織に広がって行けば、色々な情報が入ってきて、意見が吸収できると思います。

市民参加型の市政
武藤 千葉ニュータウンの住民と在来の住民との協力関係がうまくいっているように感じます。行政も才能ある方をうまく活用されているなと感心させられます。
市長 人材は財産です。リタイアされた方の経験と知識、エネルギッシュなバイタリティを発揮していただければ大きな力になります。 
審議会など様々な行政参加がありますが、審議会や委員会を公募すると、たいてい同じ人が集まってきますが、少し変わってきたのは、事業仕分けを一昨年に始めてからです。白井市は市民を地域・年代ごとに無作為に800人抽出し、そこへ参加のお願いをしています。普通、無作為抽出してもその数%程度しか応募して来ないそうですが、白井市は多い時で10%を超えました。今年も7〜8%です。
 今年は仕分け後に、市民の判定人と意見交換をする時間を作りました。仕分け作業やこれまでの行政を見て色々な意見があるでしょうから、それをお互いに交換し合います。情報はお互いに同じものを持ってはじめて対話が進むと思いますので、私は基本的に情報をどんどん出して行く方針です。審議会には、反対意見も入れて議論していただきます。まとまらないこともあるかもしれませんが、両極端の意見があるということは、議論できる場があるということですから、非常に大切なことです。こちらの意見が通らないこと、お互いに歩み寄れることなど結果は色々出ると思いますが、私は議論をすることのメリットは、デメリットよりはるかに大きいと思っています。まちづくりや住民主体の民主主義は手間も時間もかかるものです。
武藤 最後に産業振興条例のこれからについてお願いします。
市長 条例は目的ではなく手段です。作る時に色々な方が入り意見いただいたので、理念条例ではあるけれども、作る段階で形ができスタートできました。これから皆でこの条例をさらに高めていければ良いまちづくりができると思います。その第一歩が、お助け隊として商工業と農業が少しずつ連携し始めました。また、見守りができ広がっています。今後も積極的に取り組んでいきたいと思います。
武藤 長時間ありがとうございました。

(文責・事務局 逸見)

 

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