【企業訪問記】お客様から褒められる社員

新井鋼産(株)  代表取締役 前川 京一氏(つくも支部)

 九十九里浜にほど近い、横芝光町で鉄や古紙のリサイクル業を営む新井鋼産(株)を尋ねました。創業は祖父で、3代目の前川氏は2007年に代表に就任。主な業務としては、不用となった金属廃材全般を引き取り、そこから鉄や不純物を仕分けし、機械にて加工処理をした後、製品原料として製鋼メーカーに卸しています。

 最近の様子について伺うと、常に仕入れ先の新規開拓を行って営業をかけていますが、参入企業も多く、それに加えて外資系の企業の参入もあり仕入れ競争が激化しているとのこと。中には実態の怪しい企業も多く、最近行政もルールの整備に取り組み始めましたが追い付いていないのが現状です。しかし、そのような中でも許認可のある適正なリサイクルを行っていることを強みとした我々のような企業をお客様に選んで頂けるよう日々、努力を続けているそうです。

 鉄は卸値相場の変動で売り値が大きく変わるため、過去にリーマンショックで相場が一気に約1/4にまで下がってしまい、業界が混乱しました。また東日本大震災の直後は鉄から放射線が検出されると製鋼メーカーが買い取ってくれないというような問題もありました。それらを乗り越えて、承継時5名だった従業員が、今では20名の組織に成長しました。しかし依然として人手不足は続いていて、昨今の人材売り手市場では若者になかなか目を向けてもらえず、高齢者であっても積極的に雇用します。作業は基本的に機械で行うため、元気に働いてくれています。

 先代である父が大切にしていた「社員を家族のように」という考え方は家族経営をする中で自然と生まれたものでしたが、組織が大きくなった今も前川氏はそれを大事にしています。社員たちもそれに応えるように「自分たちは会社に何ができるか」ということを自主的に考えながら仕事に取り組んでくれています。例えば集荷の際に少し掃除をしていくなど、小さな振る舞い1つでもお客様が受ける印象はガラッと変わります。「お客様から社員のことを褒めてもらえた時は、その社員に直接伝えるようにしています。最近はこういったことが結構ありますね」と前川氏は嬉しそうに話されます。社員と経営者の信頼関係は、会社を伸ばしていくためには欠かせない要素だと、改めて気付かせてもらえた取材となりました。        

   (事務局 田中)

◆会社概要…所在地:山武郡横芝光町栗山2767-5 資本金:1,000万円 従業員数:20名(うちパート・アルバイト2名) 事業内容:鉄、非鉄、古紙のリサイクルはじめ解体及び産業廃棄物処理