千葉県
商工労働部
千葉県産業情報
ヘッドライン
中同協 e.doyu 会員検索 JOBWAY
 
 

同友会大学     -同友会大学第12講- 

若者の自立をどう促す

講師 宮本みち子氏

 放送大学副学長の宮本みち子氏が第7期同友会大学第12講(2016年12月9日)において「若者の自立を促す企業、社会、地域」をテーマに講義されました。「若者の人材育成」に関して参考になると思われる点が多々ありましたので、中小企業にとってポイントと思われることをまとめました。

1.最近の若者の特徴〜社会より自分の心に関心が
  社会に対して自分たちが発言・行動しても何も変わらないという「あきらめ」感を持ち、自分のことで精一杯で心の悩みを持ち、コミュニケーションが苦手で相談できる人がいない。学生にとって非常に関心が高いのは「心理学」とのこと。社会のことより自分の心を見つめることが一番の関心事だということです。
2.若者の育った社会的・経済的な背景
 @かつての先進工業国では、学校を出れば就職・結婚・子育てという安定したルート、つまり乗ってしまえば真っ直ぐ目的地に行ける「列車旅行」のような形があったが、現在では複雑でジグザグな道筋を自分の判断と運転で目的地に向かわなければならない「自動車旅行」に変化したこと。A高学歴化が進み18歳以上の8割がさらに別の学校に行くといった教育期間の長期化などにより、子どもから成人期への移行の過程が長くなる一方、先進工業国の経済の行き詰まりから、若者の失業率の増加や格差の拡大などが深刻になってきたことがあります。
3.今求められる若者対策
 今、若者を巡っての社会的問題は、@婚姻率の低下、その結果としての出生率の低下、A3割〜4割が非正規雇用と言われる若者雇用問題、B子供・若者の貧困の広がりとその背後にある家庭の貧困の問題、C社会的自立の困難な若者の増加といった点です。
 そこでの中心課題は、若者が成人期に向けて歩むのを見守り、大人としての地位を獲得することを支援する、また、どのような若者でも安定した生活基盤を築くことができる環境条件(教育・訓練、雇用、社会保障・福祉、住宅など)を整えることです。
 親から離れて働き、遊び、人と結びつくなど、社会で生活するために必要な対人的・社会的スキルを磨く機会・場所をたくさん作ることが求められます。
4.若者の自立を促す様々な取り組み・実践〜「中間的就労」に着目
 今注目されているのが、「中間的就労」(すぐに一般企業等で働くことが難しい人を対象に、訓練として、就労体験や、支援付きの雇用を提供する就労形態)です。@若者の自立を支援する企業やNPO法人では、レジャー施設の草刈り、建物の解体作業補助や塗装作業等々の労働体験を通じて就職へのステップにする、また飲食店や高校の学食等の運営に関わるなど幅広く活動を行い、社会復帰を支援し大きな成果を挙げています。Aある刺繍業を営む会社では、自社の仕事のすべてを一通り経験してもらい、そこでの適性を見て雇用が可能かを判断。帰国子女でいじめに会い31歳まで引きこもっていた若者を預かり、パソコン作業に向いていることを発見。誰も使えず放置されていた工業用ミシンを稼働する力になりました。「中間的就労を経てこの会社の契約社員となり、刺繍事業で活躍している若者がいることを知ってほしい」と社長は語っています。また、ある若者はこの会社で就労訓練を受けながら通信制高校に入学して高卒資格を取る道を歩むようになりました。欧米で行われてきたデュアル・システム(座学と現場教育を組み合わせたもの)にも通ずるものです。
5.義務教育後も学ぶことのできる多様な場づくりを
 最後に、日本は、学校を卒業あるいは中退した後にあっても学び続けられる環境に乏しく、必要と本人が気づいたときにいつでも学ぶことのできる多様な場、また学び続けられるだけの基礎力を身につけていく場を保障することが大事ではないかという宮本先生の指摘が印象的だったことを付け加えます。

(専務理事 川西洋史)


ー活動報告・実績へもどるー

事務局
〒260-0015
千葉県千葉市中央区富士見2-22-2
         千葉中央駅前ビル7F

TEL 043-222-1031 
FAX 043-222-8207
≪時代を切り拓く!若手経営者に聞く≫
≪千葉同友会の足跡を探る≫
≪功労者をたずねて≫
≪我がまち探訪記≫
≪成長企業の実践に学ぶ!≫
sen
≪千葉同友会案内パンフレット≫