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雇う側、 雇われる側の互いのハードルを下げて、
間口を広げ人材の確保・育成を

〜中小企業元気戦略セミナー開催

 千葉同友会の政策委員会・条例/憲章学習推進本部会議と千葉西支部との合同開催により、 6月24日、 千葉市文化センターにて、 「中小企業の人材確保・育成」 をテーマに元気戦略セミナーが行われました。
 当日、 「実は私も困っています!〜注目企業の社長が語る舞台裏と元気戦略の活用」 と題して、 千葉同友会・川西洋史専務理事が進行役を務め、 笹原繁司・綜合パトロール椛纒\取締役(松戸支部)、 柏原英輝・鰍aRAST代表取締役(千葉西支部)、 大澤広久・鰍ウわや代表取締役(かずさ支部)、 二川健一郎・千葉県商工労働部経済政策課主幹の4名がパネルディスカッションを行いました。
 冒頭、 川西氏より 「少子高齢化社会を迎え、 中小企業にとって人手不足の問題が深刻になる一方で、 ニートと言われるような若者の増大や格差の拡大によってなかなか就職が難しい人も増えているという大きなミスマッチが起こっています。 そこで2007年制定の千葉県中小企業振興条例にもとづく、 昨年11月発表の第3次中小企業元気戦略を活かしながら、 どう中小企業に有為な人材、 あるいは様々なハンディを背負った多彩な人材を受け入れ、 育成するのか、 深めていきたい」 と開催趣旨が話されました。  
 それを受けて、 県商工労働部の二川氏が、 「県が中小企業政策を作るにあたって中小企業の意見を聞くなどの義務が課されたことに中小企業振興条例が制定された意義があります。 千葉県の人口は2040年までに13%の80万人が減少し生産年齢人口も激減するという危機的な予測がなされています。 そこに対処する上では、 中小企業の方々が多彩な人材を受け入れていただくとともに、 県としてのバックアップが求められています」 と述べました。
 その後、 各パネリスト各社の人材の採用と育成の現状について話されました。

生活保護者の雇用への挑戦
 警備業を営む笹原氏は、 生活保護者の雇用に取り組んだ経緯について述べました。 「警備業界は人手不足が深刻で、 様々な媒体を使って募集しても人が集まらず、 どうしたものかと悩んでいた時に、 たまたま地元行政の就労支援担当者から生活保護者の雇用を受け入れられないかという話があり、 5年も10年も仕事をしてこなかったような人を雇用して、 果たして現場で対応できるのか、 不安がものすごくありました。 しかし、 採用していかない限りジリ貧になるのは目に見えているので思い切って採用に取り組んだというのが実状です。」
 「でもそういう人達と関わる中で、 自活したい、 何とか頑張りたいと思っている人も沢山いることがわかってきましたから本人のやる気を膨らませていけば可能性はあるんだということが見えて来ました。 私なんかもついつい反応や対応が悪かったりすると、 怒鳴りつけたりしがちなんですが、 幹部からたしなめられるんですね。 もっと言い方を変えた方がいいですよとか。 長年生活保護を受けてなかなか就職ができない方は、 相対的にみると生真面目すぎるというか、 ついつい状況に流されたりしがちな人が多いんです。 ですから、 一人ひとりの背景や職歴をしっかりつかんで対応を考える必要があると思います」。

男の職場での女性の積極採用
 続けて柏原氏は、 男の職場と考えられがちな足場を設置する業界にあって、 女性の積極的な活用や環境整備に踏み切った経緯を話しました。
 「女性の採用については、 そんなに深く考えたというより、 数年前にワールドカップで 『なでしこジャパン』 が優勝したのを見て、 漠然と 『これからは女性の活躍する時代では』 と思っていたところ、 たまたま女性が入社したので、足場を組む仕事は難しくても足場にシートを張る作業ならできるのではと思ってやらせてみたら、結構やれるという感触を持てたので始めたというのがきっかけです」。
 「足場業界は、 従来男の職場ですから更衣室もないし女性専用トイレもないという現状でしたから、 それを変えて社内整備を図ってきたことによって少しずつ会社っぽい感じになってきたなと思います。 仕事内容の分業を考えていくと、 男性が足場を組み、 女性がシートを張るという形で生産性も上がるし、 現場監督の評価も意外と大丈夫ということだったので、 良かったかなと思います」。 

和菓子製造業での新卒採用
 和菓子の製造・販売を営む大澤氏は、 新卒採用に踏み切った経緯について語りました。
 「うちの会社では、 例えば柏餅をつくる場合、葉っぱを巻く人が 50人位工場にいないと回らないのですが、 私が2010年に社長になった頃は、 近くに金田アウトレットとイオンモールができるということで、 1000人から2000人位がそちらに人がとられてしまうことが予測され、 しかも当時当社の平均年齢が58歳。 65歳以上が20人で70歳以上が4人ということで、 5年も経ったら工場が回らなくなるということが目に見えてましたから、 新卒の定期採用に踏み切ったのです」。   
 「社員の反応は?」との問いに、 「和菓子業界は職人気質の人が多くて若者への教え方がわからないという人が多いんです。 やはり腕のある人がほしいという気持ちが強いんです。 でも、 孫に挨拶の仕方を教えるくらいの気持ちでやってほしいとお願いし、 また以前採用した新卒者が中堅になる中で何とか3年位で一人前に育つようになってきました。 新卒採用を初めた頃は定着も難しかったのですが、 新卒を毎年5〜6人入れるようになると互いに励まし合うのか、 定着も良くなってきました」。

人材を採用する上でのポイント〜自社の魅力を明らかにする
 続いて、 中小企業で人材を採用する上でどういうことに力を入れているかという点に話が進みました。
 大澤氏は、「入り口のところで、 経営理念を中心に話し、 求人を行っています。 動画やDVDなども見てもらい、 仕事は決して楽ではないし、 給与も必ずしも高くないと率直に言って納得して入社してもらうようにしています。 また経営幹部には、 理念と自分の人生を絡ませて社員や取引先に話せるようにと要望し、 それが少しずつできるようになってきました」 と述べました。
 柏原氏は、 「特に理念を教えるようなことはしていません。 初めから足場の仕事をしてみたいという人はいません。 先日青森でのハローワークの企業説明会に行ってきたのですが、 80〜90社が地元企業で、 うちを含めて5社が県外企業でした。 8人ぐらいが面接に来てくれたのですが、 うちは沖縄に営業所を持っており、 それをアッピールしたのですが、 『沖縄に行けるんですか?』 と興味を持ってくれて採用につながるということがありました。 間口を狭めないことが大事だと思います」。
 「うちは設立して5年、 平均年齢27歳という若い会社です。 中途採用は離職率が高かったので、 2年前から新卒採用に踏み切りました。 うちは、 社内に託児所を設けていますし、 子供が運動不足にならないよう遊び場も設けています。 おそらく足場屋でそこまでやっている企業はないと思います。 こういったことも自社の魅力になっているかと思います」 と述べました。
 笹原氏は、 「自社の魅力を幹部がどれだけ自分の考えとして伝えられるかにかかっていると思います。 当社は毎月第3日曜日に定例の社内研修を行っているのですが、 会社側から積極的に社員に情報を流すように努めています。 社員から見てなんでもフランクに話せる雰囲気があることが大事だと思っています」。
 「立派に資格を持っていながら、 体を壊したためなかなか仕事に就くのが難しい人もいます。 そういう人は営業やコミュニケーションが不得意です。 でも 『そんなことも知らないのか』 と問い詰めることはどうかと思います。 ルールや仕組みも大事ですが、 ひとり一人はみな違うんだということを前提にしてこちらの対応を考えないと上手くいかないと思います。 また人との関わりが表面的で、 昔なら家庭内で手伝いをさせられるのが普通だったのに、 親から至れり尽くせりで大きくなった若者もいます。 そうした育った環境もしっかり見て、 我々の考え方自体を変えていく必要があるのではないでしょうか」 と述べました。

教育委員会とも連携し中小企業の魅力発信
 最後に、 行政側としての人材確保の対策について、 二川氏は、 「細矢千葉同友会政策委員長と話し合う機会があって、 中小企業の人材採用の上では、 小中学生の頃から地域の中小企業に触れる機会を増やしたり、 小中学校の先生に中小企業の魅力を知ってもらうことが大事だということになり、 行政と中小企業者との意見交換の場である 『地域勉強会』 を活用して、 同友会の皆さんと県商工労働部に加えて教育庁の職員も加わっての意見交換を行いました。 その結果、 同友会さんからも要望が出ていた、 学校などに向けた媒体として 『地域で頑張る中小企業』 (仮称) を発行することを明記しました。 行政側と中小企業者側のギャップを埋めていく上で、 『地域勉強会』 は大きな意味を持ちます」 と締めくくりました。
 雇う側と雇われる側、 行政と中小企業の互いの壁を取り払っていくことの大事さが確認されたパネルディスカッションとなりました。


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