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2015年(平成27年)12月吉日
千葉県知事
 鈴木 栄治 殿
                         
千葉県中小企業家同友会
                      会   長   林 康 博
                        代表理事   山本 克己
代表理事   宮澤 正則
                  政策委員長 細 矢  孝
2015年度(平成27年度)「千葉県に対する政策要望」

 日頃より、千葉県の商工業・観光、及び地域振興にご尽力いただいていることに心より敬意を表します。当会は経営者の自主的・自律的な経営の学びの場として1975年に発足し、現在22支部・約1450社の会員で運営をしております(全国47都道府県で約45,000名強)。
 活動の一環として平成11年より政策要望を提出してきましたが、内容について意見交換をする中で、当会からの提案も多数実現していただきましたことに心より感謝申し上げます。とりわけ、平成26年11月に策定された「第3次ちば中小企業元気戦略」の中で、強化ポイントである「『地域』『小規模企業』に着目した取り組みの強化」、具体的な支援策である「中小企業の魅力を伝える『啓発紙』の作成」などは、私共の長年の望みでもあり、中小企業の発展を力強く後押ししてくださるものだと感じております。
 今期、会員を対象に行ったアンケートでは、売上が前年対比で「伸びている」と答えた企業の割合は39.6%(横ばい38.1%、減っている22.3%)で、前年のアンケート結果から3ポイント上昇しました。しかしながら、経常利益が前年対比で「好転」と答えた企業は29.9%(横ばい43.8%、悪化26.3%)で、前年から0.6ポイント減少しており、逆に「悪化」と答えた企業の割合が前年から6.5ポイント上昇しております。会社の経営課題を問うた質問でも「同業者相互の価格競争の激化」が1位にあがっており(49社)、中小企業が置かれている厳しい競争環境や、個々の企業の商品力・サービス力といった課題が浮き彫りになっています。
 そうした現状も鑑み、今回の要望では、小規模企業が自社を発信し、お互いに研鑽し発展できるような小規模展示会の場づくりなどを盛りこみました。また、第3次元気戦略を実現していくうえで、千葉県および市町村や金融機関との意見交換を横断的にしていきたく、引き続き重点事項として掲げております。何卒ご査収のほどよろしくお願い申し上げます。

2015年(平成27年)政策要望 項目
企業づくり
1、より実情に即した中小企業・小規模企業支援を
(1)助成金の申請手続きの簡素化・公募期間の延長を望みます。
(2)小規模でも取り組める「新たな仕事づくり」に対する支援をお願いします。
(3)法改正や新制度に対応するための情報提供、コスト面・人員面での援助をお願いします。

2、自立した中小企業を育てる金融支援を
(1)当面の資金繰り支援のさらなる充実をご検討ください。
(2)「経営者保証に関するガイドライン」の普及をお願いします。

3、人材確保・育成をめぐる課題に、早急な支援を
(1)即効性のある人材確保支援と長期をみすえた中小企業のイメージアップをご勘案下さい。
(2)多様な人材が長く安心して働くための支援をお願いします。

4、その他、現状の支援について
(1)現在利用されている有効な施策の利用促進にご協力ください。

地域づくり
1、千葉県中小企業の振興に関する条例の実効性の保証
(1)知事をトップとする産業振興会議の設置をお願いします。
(2)懇談会や地域勉強会の計画・開催にご協力ください。
(3)地域内の産業、および中小企業の現状と課題を把握する取り組みをお願いします。

2、省エネ・創エネに関する支援
エネルギーの多様なあり方を推進し、中小企業の仕事にもつなげる千葉県づくりをお願いします。

国政の動きについて


企業づくり
1、より実情に即した中小企業・小規模企業支援を 今回の第3次元気戦略の強化ポイントに「『小規模企業』に着目した取り組みの強化」が入っていることを心強く感じております。
 小規模企業では日常的に経営者が一スタッフとして現場で働いていることも多く、私たちはその状況から一歩脱却して、戦略的かつ長期的に自社を展望できる経営者を目指していますが、業務に追われ戦略的意思決定に時間が割けない経営者が多いのも実情です。そのような現状をふまえて、小規模企業が自助努力を最大限に発揮できる環境づくりを要望いたします。

(1)助成金の申請手続きの簡素化・公募期間の延長を望みます。
 日常的に現場に出ている経営者でも申請しやすい、簡便な手続きの助成金を望みます。また情報収集に多くの時間を割けない状況を鑑み、公募期間の短いものについては、できる限り長くしていただければ幸いです。

(2)小規模でも取り組める「新たな仕事づくり」に対する支援をお願いします。
 @ 助成制度・支援制度の創設
 新規事業を始めるにあたっては資金的な制約が特に大きく、新たに投資する金額は営業利益うちの5%程度が安全圏とも言われます。国の「小規模事業者支援パッケージ事業」のように、比較的少額でも仕事づくりの支援になり、結果的にPDCAを根づかせるような支援制度・助成制度があれば幸いです。

 A 事例の普及・教訓化
当会でも、小規模企業の仕事づくりの事例を、分かりやすい形で広く普及したいと考えています。例えば、助成制度を利用した会員のインタビューを冊子化することや、セミナーを開催して体験談を語ってもらうなどの活動を、行政の方と協力して取り組めれば心強いです。

事例)愛知県では「未来を拓く、中小企業の応援読本」というものが発刊されています。これは、@課題(資金繰り・販路開拓等)を抱えた中小企業が、Aどのような支援機関を通じて、Bいかにして課題を克服したかということが写真入りの事例で示されています。

 B 参加しやすい展示会やビジネス交流の企画
 小規模でも挑戦しやすい展示会やビジネス交流会の主催をご検討ください。ちば中小企業元気づくり助成事業の助成制度等は、助成額も大きいだけに小規模企業では申請のハードルが高く感じられます。また「周知されていない」「公募期間が短い」との声もあります。費用面や参加条件が厳しくない展示会を、当会でも率先して企画・設営をいたしますので、お力添えをいただければ幸いです。

事例)神奈川同友会川崎支部では、川崎市などと連携して「ビジネスリゾート」を開催しています。ビジネスリゾートは、意欲あふれる中小企業が企業の商品・サービスを紹介する展示イベントを中心に、セミナー、相談会、海外支援、大手企業による開放特許紹介など、様々なイベントが行われます。出展料が25,000円と安価なこと、1人で経営している人も参加できることが特徴です。

 商品のライフサイクルでは導入期・成長期に最も資金が必要になります。すでに利益を生んでいる商品・サービスでなくても、売れる可能性のある計画・ビジネスモデル段階で使いやすい支援があれば幸いです。

(3)法改正や新制度に対応するための情報提供、コスト面・人員面での援助をお願いします。
 @ マイナンバー制度の導入に関する情報提供・セミナー等の共催
 マイナンバー制度は既に始まりましたが、制度に関して見えにくい部分(負担はどの程度か、いざという時にどこに相談するべきか等)について県からも普及を望むとともに、情報交換ができれば幸いです。

 A 消費税増税にともなう影響の把握と対応
 千葉同友会会員に今後の消費税増税について問うたところ、賛成は6.6%、やむを得ないは47.8%、反対は46.8%と、意見が分かれるところですが、先の増税(5%から8%)による影響については、「直接的な影響がある」が37.4%、「直接的ではないが影響がある」が33.1%と、何らかの影響を受けている企業が7割を占めています。影響の程度や種類を把握して、きめ細かな支援ができるようご協力賜りたく存じます。

 B 労働安全衛生法の改正に関する情報提供・セミナー等の共催 など  労働安全衛生法が改正されたことにより、企業に対して「ストレスチェック」の実施などが義務付けられています。こうしたことは(2)の職場のメンタルヘルスなどの問題改善にもつながることなので、県としても取り上げていただくことを望みます。

2、自立した中小企業を育てる金融支援を
(1)当面の資金繰り支援のさらなる充実をご検討ください。
 現状のセーフティネット資金融資は、外的要因で経営困難に陥った企業が利用しやすい条件が提示されており、引き続き継続をお願いできれば幸いです。付け加えるならば、現状、通常の融資と変わりないといわれる審査期間を、ひっ迫した状況下では短縮するような仕組みをご勘案いただければ幸いです。また信用保証枠を全て使ってしまっている事案に対して、マル経融資などのメニューがとても有効ですので、広報にもご協力をお願いいたします。

(2)「経営者保証に関するガイドライン」の普及をお願いします。
 2015年に千葉同友会で行ったアンケートでは、借り入れの際に経営者の個人保証契約を「締結している」と答えた人は80.4%(締結していないは16.0%、わからないが3.6%)です。依然として大多数が個人保証契約を結んでいる実情の一方で、金融機関が締結を外すのに積極的な姿勢を見せているとの声も聞かれます(事例参照)
県としても、1)企業と金融機関との勉強会・懇談会などに加わっていただく、2)経営者保証のない融資を実現した県内企業の事例を集めて発信するなどの対策をお願いします。

事例)ある会員企業では、2014年1月にメガバンクに経営者の個人保証を外す交渉をしたところ、「同族企業で保証を外すことはできない」と書面での回答がありましたが、2015年の5月に突然、外すことを認める旨の連絡がありました。このようにガイドラインの効力が中小企業経営者にも影響してきています。

3、人材確保・育成をめぐる課題に、早急な支援を
(1)即効性のある人材確保支援と長期をみすえた中小企業のイメージアップをご勘案下さい。
 @ 先行的な人材投資への助成金や資金援助
中小企業は資金の制約上、人材を先行して確保することは難しく、どうしても場当たり的な人材確保になりがちです。しかし助成金を取得しても実際に入金されるまでに時間がかかり、本当に困っている時には使えないという声も聞こえます。助成金を使いやすくするとともに、資金に余裕がない時から将来を見据えて先行的な人材投資を行うケースについても支援をご検討いただければ幸いです。

 A 中小企業の啓発紙作成と教育現場での活用 第3次元気戦略の中に、中小企業の魅力等を伝える「啓発紙」の作成がうたわれていることに感謝を申し上げるとともに、私たちもその作成に関わらせていただければ嬉しく存じます。内容は分かりやすさと現場の雰囲気が伝わることを重視して、教育現場でも広く配布できるようなものであることを望みます。

 B 中小企業における障害者雇用の実態把握と支援窓口の一覧化
 雇用義務のない企業(社員数49名以下)でも障害者雇用への関心は年々高まっています。そうした企業では、雇用数こそ少ないものの、障害者が貴重な戦力として活躍しており、労使間の関係が密接で、その人に合わせた待遇や勤務体系を柔軟に作っている現状があります。そうした観点から、49名以下の企業での雇用状況も明らかにするとともに、具体的できめ細やかな相談制度の充実等を求めます。
 また雇用に関わる部署と、特別支援学校に関わる教育庁の連携で、採用などの支援窓口が分かりやすく一覧化していただくことを望みます。

(2)多様な人材が長く安心して働くための支援をお願いします。
 @ 公的な社員教育機関の充実(技能面・知識面)
中小企業では社員教育の仕組みが整備できていない企業も多く存在します。一般企業が利用できる在職者向けの教育訓練支援をご検討いただければ幸いです。また、独立行政法人ポリテクセンターのような機械系の技術教育だけでなく、様々な職種に応じた技能教育のメニューがあればありがたく存じます。

 A 女性の職場復帰支援策を利用しやすい制度(社内託児所等)
経営課題として「人材の不足」が第2位にあがっており、女性や高齢者を活用している企業が多くスポットを浴びています。とりわけ女性の雇用の際にネックとなる「子育て」に対する支援は大変効果的です。企業が単独または共同で運営する保育所等への支援をご検討ください。

 B 従業員のメンタルヘルスケア等に対する問題
近年、様々な理由で通勤が困難になる従業員が増えています。そうした従業員を雇用し続けていく場合、法令順守の観点から会社としてどう対応すべきか、また、労使コミュニケーションの観点からどう向き合うべきか、ということが高い関心事になっています。今後ますます増えていく問題かと存じますので、相談窓口などの支援をしていただければ幸いです。

 C 従業員の福利厚生面に着目した支援
 大企業と比較して中小企業は福利厚生面での魅力が弱く、人材確保・定着が困難になる要因のひとつになっています。国の「労働環境向上助成金」や、市町村の「勤労者福祉サービスセンター」などが既に存在しますが、県の方でも中小企業の社員向けの支援制度を検討してください。

4、その他、現状の支援について
(1)現在利用されている有効な施策の利用促進にご協力ください。
 @ ISO取得支援について
 ISOの取得は中小企業にとってハードルの高いものですが、「取得する過程で社員の大きな自信につながった」「会社の仕組みを見直すことが出来た」といった声がきかれます。企業の仕組みやルールが明文化されていない、ルールを決めても守られないという中小企業にとっては大きな武器になると考えますので、引き続きご支援をお願いします。

 A よろず経営相談所について
 よろず経営相談窓口は、無料で気軽に相談できる雰囲気と、ワンストップを謳っていることから、会員からも「使いやすい」「ありがたい」と声が聞かれます。創設されてからの利用実績などを公表していただければ、さらに使いやすくなると存じます。

地域づくり
1.千葉県中小企業振興条例の実効性の保証
(1)知事をトップとする産業振興会議の設置をお願いします。
 千葉県中小企業振興条例及び第3次元気戦略を実行性ある形で活用し、中小企業振興を図っていくためにも、行政・諸団体・金融機関・大学等、全県をあげての取り組みが欠かせません。県知事をトップとする千葉県産業振興会議(仮称)といった、継続的な中小企業振興を協議する機関を設置して下さい。

(2)懇談会や地域勉強会の計画・開催にご協力ください。
 引き続き、県や市町村行政の方と交流する中で、地域振興に向けた連携を図っていきたいと考えています。地域勉強会は下記のような切り口で年3回以上の開催できれば幸いです。
 @ 市町村を横断する懇談の場
 官官連携(市町村同士の意見交流)は地域を客観的にみることができ、お互いの地域振興に有効だと考えます。千葉県内でも、中小企業振興に関する条例が存在する市町村とそうでない市町村がありますが、お互いの交流が活発であるとはあまり言えません。地域勉強会という枠組みの中で、県行政や当会が媒介になり、交流ができる場をご勘案下さい。

事例)愛媛県の松山市では中小企業振興条例を制定する際に、先に制定していた東温市の担当者から制定に関わる事項が引き継がれ、同友会と東温市の協力のもと条例の骨子を策定した。また、松山市と東温市という他市間での人材交流も行われ、短期間での条例制定を可能にした。

 A 金融機関との懇談の場
 同友会では、地域金融機関との懇談を実施してきました。懇談は決して円滑な融資を進めるためという目的だけではなく、意欲ある中小企業が地元金融機関と一緒になってよい千葉県を作っていくためという目的があります。地域づくりの観点から、ぜひ行政の方とも同じテーブルで意見交換ができれば幸いに存じます。

 B 他団体との懇談の場
 金融機関との懇談同様、他の経済団体とも千葉県をよくするという趣旨で手を組みたいと考えております。また中小企業家同友会全国協議会では、経営者として労使コミュニケーションを学ぶという趣旨で、労働組合との交流も行っています。こうした諸団体で幅広く意見交換を行っていくには、行政のお力添えをいただければ心強く存じます。

(3)地域内の産業、および中小企業の現状と課題を把握する取り組みをお願いします。
 @ データの分析と活用
地域特性が多様な千葉県においては、それぞれの地域に見合った産業政策が必要と考えます。そのために産業連関分析や域際収支の分析を行い、地域で事業活動を行う経営者が知っておくべき知識として普及してください。すでに公表されている産業連関分析は市町村単位までの拡大を求めます。

 A プレミアム商品券の効果測定と情報の提供
 千葉県内の自治体で発行されたプレミアム商品券の経済波及効果がどの程度あったのか、市町村に測定をはたらきかけていただくとともに、効果のあった市町村の事例や、今後の継続について情報を提供していただければ幸いです。

2.省エネ・創エネに関する支援
エネルギーの多様なあり方を推進し、中小企業の仕事にもつなげる千葉県づくりをお願いします。
引き続き、「新エネルギー活用推進プロジェクトチーム」の取り組みに力をいれていただくとともに、地域の雇用と中小企業の仕事をつくる視点から、行政内でも連携して取り組んでいただくことを期待します。また、中小企業の省エネ・創エネなど環境に対する自主的な取り組みの促進と評価を求めます。
具体的には、1)太陽光だけではない新エネルギー導入の普及と促進施策、2)地域特性と合わせたエネルギー活用を研究する場の確保、3)中小企業事業者むけのセミナー等の開催、4)千葉県内のモデル市町村の認定と普及をお願いします。

国政の動きについて
政府の税制改革の動きは地域を疲弊させる可能性があるため、県としてもご一考ください。
 この間政府で議論されてきた中小企業向けの増税策では、法人税減税の代替財源として幾つかの点について検討を行っています。しかしながら、俎上に載っている外形標準課税等の増税策は、中小企業の経営意欲を損ない、雇用の維持・拡大への大きなマイナス要因となることが強く懸念されます。県としてもこの問題を精査していただくとともに、問題意識の共有や意見交換を行えれば幸いに存じます。


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